Report

整備レポート

2024.03.22

第2世代の定番トラブルポイント

ミニクーパー
ここでは第2世代の定番のトラブルポイントをまとめます
挙げたものはほんの一例です
何れにしろ乗り方や使い方で予防できるものは少ない上に漏れ症状などは気づける症状が出る頃にはかなり酷い状況ということも少なくありません
定期的な点検と早期修理がミニクーパーを長持ちさせるコツです!
※必ずしも症状と原因が一致している訳ではありません。あくまでトラブルの参考程度にお考え下さい

※金額はパーツ代、工賃を含んだトータルの概算金額です。診断の結果やその時のパーツ定価、グレード等によっても金額は大きく変わります。正確なお見積りはお預かり後、お車を診断してからになります
ミニクーパー

初代BMW MINIが成功し、満を持して登場した第二世代ミニクーパー
グレードは「クーパー」「クーパーS」を中心に変わりませんがグレードにてモデルコードを分別するのを廃止し、モデルコードはボディ形状のみで区別されます
スタンダードな3ドアR56、後ろの観音開きハッチゲートが特徴のクラブマンR55、一世代目も人気だったコンバーチブルR57、もはやミニじゃないなんて呼ばれましたが発売したら大人気SUVルックのクロスオーバーR60
それ以外にクロスオーバーの3ドア版ペースマンR61、クーペ2シーターのR58、クーペオープンのスパイダーR59なんてレア車まで幅広いボディー展開で発売されました

ミニクーパー R56
ミニクーパー R55 クラブマン
ミニクーパー R57 コンバーチブル
ミニクーパー R60 クロスオーバー カントリーマン
ミニクーパー R61 ペースマン
ミニクーパー R58 クーペ
ミニクーパー R59 スパイダー

エンジンはプジョーと共同開発したプリンスエンジンと呼ばれる新設計エンジンが投入され、クロスオーバーには一部ディーゼルエンジン仕様がありますが、それ以外の殆どは上記プリンスエンジンが搭載されています
非常にBMWの技術を盛り込んだいいエンジンですが、その反面BMWと同じ壊れ方をするように・・・壊れると第一世代より高い金額になってしまうのはこの辺りの理由に起因します

ミニクーパー エンジン

エンジン・トランスミッション系

各部オイル漏れ

ミニクーパー オイル漏れ

こちらは例にもれずどのミニクーパーでも起こる定番故障ポイントです
1世代目よりセンサー類や特殊な機構等も増え、BMWらしい最先端エンジンになりましたが、その反面エンジン本体とそれら機構とのつなぎ目が増えたため単純にパッキンの数自体が増えてしました
その為漏れる可能性がある箇所もイコールで増えてしまいました
金額は箇所やエンジンによりまちまちですが安いもので1~2万円から、ある程度分解が必要だったりすると5~15万円程度の予算感になります

イグニションコイル

ミニクーパー イグニッションコイル

エンジンの調子が悪いの代表例です
スパークプラグに向けて大電圧に変換する装置ですが5~10万kmの間には壊れると思っておいて間違いないぐらいの箇所になります
第二世代からはダイレクトイグニションシステムになりましたので4気筒分それぞれで4本搭載されています
症状としてはアイドリングでブルブル・ガタガタ、吹け上がりも悪く、チェックランプが点灯します
唯一の救いはイグニションコイル自体が安い事!おおよそ工賃も入れて1本1万円強ぐらいです(国産軽自動車でも同じぐらいの金額です)
基本的には故障時は全気筒分の4本とスパークプラグ4本も同時に交換をお勧めします

ウォーターポンプ

二世代目の冷却水漏れトラブルはウォーターポンプとサーモスタットが2大巨頭です
初期は樹脂のウォーターポンプを使用しており、単純にパッキンから漏れる場合や製造時の穴から漏れてきてしまう場合など様々
実際にオーナー様がトラブル気づくのはオーバーヒート警告画面が出て初めてお気づきになられるケースが多いかと思います
またパーツ自体が対策品になり、現在は金属製のウォーターポンプが供給されるようになり信頼性が増しました
金額はおおよそ5万円位で修理可能です

サーモスタット

ミニクーパー サーモスタット 冷却水漏れ

もう一方の冷却水漏れのサーモスタットです
こちらも樹脂で作りこまれた形状をしている為、熱の影響で歪み冷却水漏れにつながります
また製造時に樹脂同士を繋げた溶着跡が割れ、そこから漏れてくる事も・・・

ミニクーパー サーモスタット 冷却水漏れ

こちらも初期型からすると形状変更の対策品になったのですが、素材は樹脂のままなので漏れたら交換する覚悟が必要です
金額は同じく5万円ぐらいにご案内になります

燃料高圧ポンプ

ミニクーパー 燃料高圧ポンプ ハイプレッシャーポンプ HPFP

二世代目で最も悪名高いトラブルポイントです
但しこれはターボのエンジンのみですのでグレードが「クーパーS」の方限定のトラブルです
クーパーSのエンジンは直噴エンジンという高機能なものになっており、燃料を高圧にする必要があります
その圧力を作っているのが燃料高圧ポンプ(ハイプレッシャーポンプやHPFPと呼ばれる事もあります)症状としては警告灯点灯のみ、から不調感まで様々あります
ケースとして多いのはチェックランプだけ点灯して症状がないパターンですね
金額は高圧ポンプの搭載種類にもよりますが20~25万円ぐらいになります

バイブレーションダンパー

ミニクーパー バイブレーションダンパー

一世代目ではド定番でしたが、2世代目でも健在の故障箇所です
しかし、対象がディーゼルだけですので日本であればクロスオーバーR60に限定されます
症状としては「あれ?ディーゼルだけどこんなにうるさかったかな?」と思うような異音が出るのが特徴です
嫌な感じではなく単純にトラックみたいな音なので、中古で購入された方などは「こんなものかな?」と納得してしまうぐらいかもしれません
修理はバイブレーションダンパー交換になり10万円弱ぐらいの予算感になります

タイミングチェーン

ミニクーパー タイミングチェーン

タイミングチェーン絡みのトラブルが多いのも2世代目の特徴です
定番はチェーン自体が劣化により伸びてしまい、エンジンのタイミングがずれてチェックランプや不調が出る場合

ミニクーパー タイミングチェーン チェーンガイド

もしくはガイドする為の樹脂製のチェーンガイドが割れてしまい同じくタイミングずれを起こす場合など故障の仕方も様々あります
何れの場合でもタイミングチェーン一式での交換になります
初期のもからチェーンガイドも対策品になっていますので後期に向かうにつれ信頼性が増しています
金額は15~20万円ぐらいになります

ステムシール

ミニクーパー ステムシール
バルブステム

ステムシールからのエンジンオイル下がり症状も非常に多いトラブルです
症状としては特にアイドリングをしていて、加速する場合(信号待ちや駐車場から出る場合など)にモワァァとマフラーから白煙が出て、酷くなると車内にも油が焼けた嫌なにおいが入ってきます
またオイルもかなり消費しますのでオイルの警告画面やオイルを確認すると全然入っていない!なんて気づき方をする方もいらっしゃいます
修理はセオリー通りに作業すればシリンダーヘッドオーバーホールになり金額的には50万円ぐらいかかってきます
弊社ではそれをせずに交換する特殊工具をご用意しておりますのでそれを使用して交換した場合はおおよそ10万円強にて作業可能です

クラッチ

ミニクーパー クラッチ フライホイル レリーズベアリング

クラッチは故障ではなく、あくまで定期交換部品のメンテナンスなのですがやはり大きな金額がかかる事には変わりありません
二世代目ミニクーパーの場合はクラッチそのものの摩耗よりも、レリーズベアリングからの異音、レリーズフォークの劣化による破損などクラッチ周りの構成部品に不良が出て、どのみちセットで!とクラッチ交換をする場合が多いです
距離でいうと5万km~黄色信号と言った所でしょうか
金額的には20~25万円ぐらいに予算感になります

ボディー・足回り

ショックアブソーバー

ショックアブソーバーも基本的には定期交換部品となっており走行距離に伴って劣化してきます
これは世界中どのお車でもそうなので、だましだまし乗ってしまっている方も多いんじゃないかとも思います
しかし2世代目は症状として10万kmを超えてくると特に後ろの方(リア)から段差などでゴトゴト、ゴゴッ!とショック音が出るケースが多いです
気になると結構気になるいい音で異音がでますのでそうなってしまった場合は修理が必要です
金額はリア左右で10万円強ぐらいのご案内になります

ワイパーカウル

ミニクーパー ワイパーカウル

2世代目のオーナー様が気にされる外装部品No,1かもしれません
症状としてはフロントウィンドの境目のゴムがボロボロ・・・パキパキ・・・まるで放置車両みたい・・・と車を見るたびにテンションが下がってしまうオーナー様も多いんじゃないでしょうか?

ミニクーパー ワイパーカウル

勿論修理可能ですが、土台となる樹脂部分とセットになってのパーツ供給になります
パーツは左右に別れており、どちらも交換しないとセットになりません
救いはパーツの値段自体はお安くセットで交換しても2~3万円で交換可能です

モール類

ミニクーパー モール

上記のフロントウィンド下部のウィンドモール以外のモール劣化も鉄板のポイントです
特にR55クラブマンのリアドアの窓枠などはボロボロが目立つポイントです
どれもパーツ自体はお安いので車検や点検時同時に交換してしまうと手間も時間も短縮できます

テールゲートオープナー

ミニクーパー テールゲートオープナー

テールゲートを開ける為のスイッチも外装類のトラブルポイントです
初期症状としては実際に手に触れるゴム部分が劣化して切れてきます
次第に完全に千切れてしまい、内部の基盤部分が露出します
その状態で更に使用していると水分等が混入しスイッチ不良を起こしボタンを押しても開かない状態になります
修理はスイッチ単体では供給がなく、ナンバー灯などを含むガーニッシュ(パネル)一体での供給になります
金額は2~3万円で交換できますが、グレード・年式によっては外装色での塗装が必要になりその場合は塗装代が追加になります

燃料ポンプ

ミニクーパー 燃料ポンプ フューエルポンプ

2世代目でエンジンがかからない!の最も多いトラブルが低圧燃料ポンプの不良です
リアシート下にあるガソリンタンクからガソリンを汲みだす電動ポンプになり不良になると動きませんので当然ガソリンが供給されずエンジンがかからない状態になります

ミニクーパー 燃料ポンプ フューエルポンプ

修理はポンプ交換で7万円~になります
しかし燃料ポンプが動かない原因は単純にポンプ不良だけではなく、コンピューター不良などの可能性も高いです
その為、適切な診断が必須になります

車内・電装品

エアコンコンプレッサー

1世代目でも定番だったエアコンコンプレッサー不良によるエアコン効かない症状ですが2世代目でも健在です
症状はシンプルにエアコンが効かない(風は出る)状態になります
家庭用のエアコンと同じで夏場になるにつれ依頼も増えパーツが欠品したり、予約が込み合ったりします・・・
「暑くなったらでいいかな・・・?」ではなく気づいたら即修理がお勧めです
金額は10~15万円が予算感になります

ブロアモーター

ミニクーパー ブロアモーター

エアコン繋がりの故障で二世代目の定番ポイントで言えばブロアモーターも挙がります
ブロアモーターはエアコンの送風を作り出すパーツになります
症状としては冷たい、暖かい以前に風そのものがでないトラブルになります
ブロアモーターを交換するだけで修理は可能なのですが、問題は右ハンドルにあります・・・!

ミニクーパー ブロアモーター

ドイツ圏で設計されていますのであくまで左ハンドルがベースの設計になっており、左ハンドル車であればサクッと交換できるのですが、ダッシュボードやハンドルだけ右ハンドルになっていますので素直に交換できず、ダッシュボード等を丸ごと取り外す必要があり、修理も大掛かりなものになります
金額は10~15万円ぐらいのご案内になります

各コンピューター

現代において車には複数のコンピューターが取りつけられており、エンジン、ミッション、エアバック、ABS、鍵、ライト類などそれぞれが独立した役割を持って各管轄領域を制御しています
第二世代になり、一気にBMW化が進みましたので、このあたりのコンピューター制御が増えたのも特徴です
そしてそれらはどれもトラブルポイント・・・
各コンピューターによって管轄が違うのでどのコンピューターが不良になるかでも症状も金額も様々・・・
また昔と違い単純にコンピューターを入れ替えれ修理OKとはならず、車両情報に合致したデータを書き込む等特殊作業をも多くなっています
その為、修理にはコスト、故障頻度、特殊作業の有無などを加味して新品なのか中古などが等を精査していく必要があります
金額は安いコンピューターで5~10万円ぐらいから、エンジンなど高いものでしたら中古で10万円~からのご案内になります

テールランプ

ミニクーパー テールランプ バルブソケット

テールランプ不灯症状も二世代目の定番故障ポイント
前期はバルブソケットと呼ばれる部分の接触不良から熱が発生しテールランプ基盤を溶かして不点灯になる症状が定番です

ミニクーパー テールランプ バルブソケット

修理は意外と?BMWさんが優しくテールランプ内部の基盤だけの供給があるので1万円位で修理可能です
LCI(後期)は上記の基盤溶け症状の他、LED部の不良等も増えました
LCIモデルになるとLEDが付いた影響か、基盤だけの供給がなくなってしまったのでテールランプ丸ごとの交換が必要になります
テールランプ交換だと3~5万円ぐらいの予算感になります

まとめ

2世代目のトラブルポイントをまとめてみました!
エンジンから電装類まで軽く出しただけでこのボリュームです・・・
またエンジンも内部やコンピューター等、単純なオイル漏れ等とは違った大掛かりな修理箇所も増え、修理金額も一世代目と比較すると高額になった印象です

ミニクーパー

その為、中古やピンポイントの修理などツボを押さえた修理で金額を抑える事で比較的維持しやすい修理金額へとなっていきます
また2007年発売ですので20年というかなり長寿の車へとなっていっています
その為、外装のライトやモールなどの状況次第で古く臭く見えるか、バリっと見えるか日ごろのメンテナンス次第で大きく変わってきます

ミニクーパー

見た目が大きく変わらないミニクーパーだからこそ、細かいところが綺麗だとそれだけで年式を感じさせない車に仕上がります!
この後のF系ミニになってしまうとクーパーSは2Lへと排気量UPして、より大型化してしまいます
軽量、クイックなミニを求める方はこの二世代目のR56系がオーナー様の中で最後のミニクーパーになってしまっている。なんて方も多いんじゃないかと思います
是非、修理金額で諦めてしまうようなことがないよう私達が最後までお付き合いさせていただければ幸いです

小林モータース株式会社

ミニクーパーのご入庫は輸入車の中でも一番多く、年間300台以上のミニクーパーがご入庫頂きます
1~3世代目までクラブマンもコンバーチブルもクロスオーバーも皆さん自慢のミニをご依頼頂いております
またBMW・BMWMINIの純正診断・汎用輸入車診断機を複数台完備しておりますので高度なテスター診断や一般的には不可能と言われる中古コンピューターの同期作業等も可能です

ミニクーパーの車検・点検・修理でお困りの際は是非お気軽にご相談ください!

リンク

コラム

一級整備士によるコラム
症状やパーツごとに
徹底解説!

整備レポート

小林モータースで整備した実際の事例をレポート!

YouTube

小林モータースちゃんねる
ぜひチェック・チャンネル登録お願いします!


【店舗情報】

千葉県松戸市の修理工場なら 小林モータース
国産車・外車、メーカー問わず修理可能です
中古パーツ・リビルトパーツ・社外パーツを使った修理もお任せ下さい
お客様からのご連絡をお待ちしています

小林モータース株式会社

047-387-0398
千葉県松戸市五香2-3-2
9:00~19:00 水曜定休

小林モータース株式会社

是非お客様の愛車をお任せ下さい!
スタッフ一同ご来店をお待ちしています。

小林モータース株式会社

  • 〒270-2213 千葉県松戸市五香2-3-2
  • 047-387-0398
  • 営業時間:9:00 - 19:00
  • 定休日:毎週水曜日