BMW MINI R60 クロスオーバークーパーS マフラーから白煙出る症状とのことでご入庫です
症状を確認してみると、アクセルを3回ほど吹かすとちょっとした火事くらいの煙が工場内に漂います
オイルが下がって煙が出る原因は大方バルブステムシールにあります
実際にはエンジンをバラしていかないと特定はできないのですが、オーナー様とご相談の上、バルブステムシールと見当をつけて交換作業に取り掛かりました
が、それだけではどうやら収まりそうにありません
タペットカバーを外し内部を見てみると違和感を感じました
チェーンスライダーなのですが、チェーンに対してだいぶ斜めになっています
チェーンを外した後でまっすぐに直そうかと何気なく触ってみると、
めっちゃ動きます
ボルトで止まっているはずが緩んでしまっています
この状態で良く無事に走行できてたなと言う感じです
後期型のN18エンジン搭載車だったため、チェーンテンショナーが前期型に比べて長いものが付いていてかろうじて保てているような状態です
チェーンの遊びは出ていませんがコマが飛んでタイミングがずれたり、チェーン自体が外れる直前だったと言えます
改めてオーナー様と状況の説明と見積もりをご相談し、ステムシールとタイミングチェーン周辺のパーツ一式を交換していきます
ステムシール交換の細かい作業は以前もご紹介しましたが、特殊な専用工具を使用し、1気筒4個、4気筒なので計16個のステムシールを交換していきます
後期型のN18ターボエンジンになってバルブトロニックという機構が付きました
前期型のN14エンジンと比較して部品点数が格段に増えました
この部分の分解にも特殊工具(SST)が必要です
そしてこちらが問題のチェーンスライダーです
案の定割れてバラバラになっていました
8割程度ですが拾える限り拾いました
首の皮一枚でつながっているような状態です
もし走行中にこの部分が折れたりしていたら、チェーンが外れてエンジン本体に大きなダメージが出ていたはずです
チェーン自体の伸びはあまりありませんでしたが、少し伸びてきて緩んで振動が発生し、パーツが割れたり留めていたボルト類が緩んだりということにつながっていたようです
チェーンテンショナーもカシメの部分が割れて2つに分解しています
限界まで伸び切った状態で振動が加わり、割れてしまったようです
新品のチェーン一式と交換していきます
元通り組付け、タイミングも特殊工具で合わせて作業完了です
試運転をして白煙が改善されて、その他異常もないことを確認しご返車いたしました
オーナー様にとっては急な出費にはなってしまいましたが、本当にこのタイミングで良かったと思います
あと数ヶ月ご入庫がずれていたらもっと大惨事になっていたでしょう
白煙については、バルブステムシールの交換のみで改善する場合と、どうしてもチェーンの不良やカーボン付着などがあり同時に作業したほうがいい場合とあります
一度点検をしてからの判断になりますので、ご検討中の方はご理解いただければと思います
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