ここでは第1世代の定番のトラブルポイントをまとめます 挙げたものはほんの一例です 何れにしろ乗り方や使い方で予防できるものは少ない上に漏れ症状などは気づける症状が出る頃にはかなり酷い状況ということも少なくありません 定期的な点検と早期修理がミニクーパーを長持ちさせるコツです!
※必ずしも症状と原因が一致している訳ではありません。あくまでトラブルの参考程度にお考え下さい ※金額はパーツ代、工賃を含んだトータルの概算金額です。診断の結果やその時のパーツ定価、グレード等によっても金額は大きく変わります。正確なお見積りはお預かり後、お車を診断してからになります
BMWによって製造された初のミニクーパー
グレードにより「ONE」「クーパー」がR50、「クーパーS」がR53、コンバーチブルが特徴のR52がそれぞれモデルコードになります
エンジンはONE・クーパー系に使うNA(非加給エンジン)のW10とクーパーS系のスーパーチャージャー付W11がそれぞれ搭載されます
エンジン・トランスミッション系
まずは自動車の心臓部分、エンジン周辺のトラブルから解説していきます
オイル漏れや冷却水漏れのような定番の症状から、電動ファンの不良など第1世代特有の症状まで、症状の出る部位も多岐にわたります
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各部オイル漏れ
エンジンの各つなぎ目からオイル漏れを起こします
漏れを放置してしまうと漏れたオイルが色々な所に付着し付いたパーツを更にダメにしてしまう事もあります
金額は箇所によって数万円~のご案内になります
イグニションコイル
エンジン不調の定番箇所です
不良になるとミスファイヤ(エンジンが上手く爆発できない状態)になりますのでアイドリングでブルブル・ガタガタ、アクセルを吹くとボォボォボォボォォォォと元気ない感じに吹け上がる症状がでます
第1世代の場合はダイレクトイグニションではなく、イグニションパックになっているのでプラグコード(ハイテンションコード)が断線する場合もあります
金額は3~6万円位で修理可能です
ウォーターポンプ
冷却水(クーラント)漏れの定番箇所 スーパーチャージャー付かNA(非加給エンジン)かによって構成が大きく違います
どちらもフロント周りを大きく分解して交換する必要があり修理代はやや高くなります
金額は5~10万円ぐらいになります
バイブレーションダンパー
こちらは基本的にスーパーチャージャー付エンジン(クーパーS系)が主なトラブル箇所です
補器ベルトを回す為のバイブレーションダンパーが破断してしまい補器ベルトを上手く回せなくなります
その為エアコンが効かなくなったり、充電警告灯が出たりと警告灯や症状が一気に現れます
また放置してしまうと暴れたバイブレーションダンパーがエンジン自体を攻撃し、エンジン断面に穴が開いてしまう事も・・・
修理はテンショナー等も同時交換した方が良いためおおよそ10~15万円ぐらいになります
エンジンマウント
エンジンをボディーに支える為のゴムの塊です
しかしただの塊ではなくエンジンマウントが上手に機能する事でボディー伝わる振動を無くしています
ミニクーパーの場合は内部にオイルが入っている高性能なマウントを採用しており劣化すると内部のオイルが漏れ、車内に振動が伝わるようになってきます
金額はエンジンマウントだけであれば2~3万円で交換可能です
サーモスタット
ウォーターポンプに続き冷却水漏れの多いポイント
電子制御化が進んでないシンプルなサーモスタットなのでパーツがお安いのが救いです
こちらもクーパー系かクーパーS系かでシステムが若干違い、構成部品が違います
金額は~5万円ぐらいで修理可能です
電動ファン
故障するとエンジン切った後にファンがファーンと数分回る症状がでます
また若干エアコンが効きにくくなる症状がでます
これは電動ファン内部のレジスターと呼ばれるパーツが断線してしまう事で発生します
放置すると連鎖的に他の構成部品を壊してしまうのでその分修理代がかさんでしまいます
「あれ?エンジン切ったのにファン回った・・・」と感じたら即修理をお勧めします
金額は10万円弱ぐらいになります
CVT
「ONE」や「クーパー」はトランスミッションにCVTが採用されています
これが弱いとされガラガラ異音が出る場合や滑って進まなくなるケースがあります
しかし、一発の金額が高くイメージが良くない為かネット上には「ダメだ、ダメだ」という記述が多数見受けられます
ただ私の印象としては確かに「無くはない」故障ですが、言われるほどケースとしては多くない印象です
基本的には内部の構成部品が手に入りませんので最低でも中古CVTと交換で数十万円はかかってきてしまいます
クラッチ
第一世代は他の車に比べて圧倒的にMT率が高いですね!
マニュアルにお乗りの方はクラッチがメンテナンスポイントに挙がります
乗り方やクラッチのつなぎ方にもよりますが大体5~10万kmで交換時期がきます
その他レリーズベアリングから異音が出たりもしますが、どちらにしろクラッチ交換時に一式で交換する形になります
交換は20万円ぐらいからになります
ただエンジンを丸ごと降ろしての作業になりますので同時にオイル漏れなどを治してしまうと工賃的にもお安くお得に修理可能です
ボディー・足回り
続いては第一世代ミニの持病であるパワステ周りや、経年でどうしても劣化してくるブッシュ類など足回りについてです
安全に走行するにはきっちりと整備されていることが不可欠な部分です
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パワステ周り
第一世代のパワステは油圧のパワステシステムを電気ポンプで動かすというハイブリッドなパワステシステムを採用しています
その為、ホース類の劣化によるパワステオイル漏れ症状、電気ポンプ故障によるパワステのアシストが効かない等壊れ方のバリエーションも多いです
金額はお安いホース交換であれば3万円ぐらい、ホース類一式交換で10万円強、ポンプ交換ですと15万円前後になります
ショックアッパーマウント
主にフロントショックのマウントが劣化します
劣化するとマウントが潰れ、ボディーに接触することでハンドルを切った時にゴンゴンゴンやゴリゴリゴリ等の嫌~な音がします
また乗り味も劣化しますので修理が必要です
金額はフロント左右のセットでおおよそ10万円弱になります
コントロールアームブッシュ
ミニクーパーのフロント足回りはブーメラン型のロアアームを使用し、後ろ側に大きなブッシュ(緩衝材)を使って、ミニクーパー独特のスポーティーな走りを生んでいます
このブッシュに亀裂や断裂が経年劣化により発生します
切れてしまうと、アーム自体が暴れるのでブレーキを踏んだタイミング等で「ガコッ」と嫌な振動感と音が聞こえます
外から見るとタイヤが前後にブレるのが明らかにわかりますので思い当たる方は駐車場などで誰かに運転してもらえばすぐわかるはずです
金額は左右セットで5~10万円ぐらいになります
ハブベアリング
走行距離が10万kmを超えて走っていると怪しくなってくるのがハブベアリングです
タイヤがクルクル回る。そのクルクルを作り出すベアリングになり、車の1t以上の重量を支えながら回転している重要な部品です
症状としては速度が上がるにつれ、グォォーーンと酷いロードノイズの様な音が出てきます
交換は1か所5万円ぐらいになります
車内・電装品
最後にエアコンやコンピューター、電動部品などの電装部品についてです
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エアコンコンプレッサー
ミニクーパーに限らず輸入車で「エアコンが効かない」の代表的故障
エアコンコンプレッサーの不良症状です
症状としてはシンプルにエアコンが効かない、や異音がでるケースもあります
金額に関してはコンプレッサー単体で交換した場合で10万円前後が費用感になります
メーター
センターのスピードメーターではなく、ハンドルの上にあるタコメーター、BMW的に言えば「コンビ2」の不良もよく見る症状です
症状としては光らない、特定の警告灯が常に光ってしまう、液晶部が映らないなど奇怪な現象が発生します
基本的にはメーター自体を交換する必要がありますが中古パーツ等も使える為、予算としては数万円~になります
ドアミラー
締めたり開いたりする時にストッパーで止まらずガガガガガガガ・・・・・と動き続けてしまうトラブル
第一世代では非常に良く起こります
内部のギアが痛んでしまう事が原因ですが、パーツとしてはミラー本体の供給ですので丸ごとの交換が必要になります
OEMのミラーもあり、それを使えば片側数万円で修理可能ですが不良個体が多すぎる為か度々欠品することも・・・
DSCモジュール
第一世代ではASCのお車とDSCのお車とあり、非常に用語としてわかりにくいですがどちらもABS(アンチロックブレーキシステム・急ブレーキ時にロックしない仕組み)を軸とし、それにトラクションコントロール(旧加速時のスリップ防止)が付いたものがASC、更にカーブ時に姿勢を安定させる機構を持ったものをDSCと呼びます
とにかく複数の走行安定機能を盛り込んだ仕組みのBMWでの名称です
なのでASC・DSCどちら話でも基本的には「ABSとかの事だな」と認識して頂いてOKです
それらASC、DSCのコントロールをするコンピューターと制御部がセットになったABSモジュールが故障することが多いです
症状としては各警告灯点灯が挙げられます
修理は中古のモジュールを特殊作業にて同期することが可能でグッと費用を抑えられます
中古利用の場合でも10~15万円ぐらいになります
ドアロック
ドアロック不良も第一世代では多いトラブルです
症状としては鍵がかからない、キーレスで動かない、が多い症状です
VWと違って「ドア自体が開かない」トラブルは少ないので唯一の救いです
ドアロックアクチュエーターと呼ばれる鍵やドアの開け閉めをコントロールしているユニットの不良になりますので該当のアクチュエーターを交換することで修理可能です
金額は5万円位になります
まとめ
第一世代ミニは非常に多くのトラブルポイントを抱えています
しかし、金額は比較的安価に治せる箇所が多いのもポイントです
その為、コンスタントに修理をしなければなりませんが、その修理すらペース化してしまえば思いのほかベストコンディションを維持できます!
逆に「修理屋さんに持ってくのがめんどくさいよ」と思ってしまうと金額的な負担以上に所有するのがストレスになってしまうかもしれません・・・
また部品供給はまだまだ安心できるのはドイツ車のいいところです
発売から20年以上になりますがパーツで困ることはほとんどありません!
世代を追うごとに大型化してしまったミニクーパー
確かにどんどん便利に付加価値的な機能の付いた車にはなりました
但しコンセプトであるゴーカートフィーリング
これを一番感じられるのは第一世代の特徴であり、面白い所です
私もお客様のお車に乗ると「やっぱり初代いいなぁ」と感じてしまいます(私は第三世代F56オーナーです)
是非お客様の第一世代ミニクーパーをベストコンディションで乗れるお手伝いをさせてい頂ければと思います
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またBMW・BMW MINIの純正診断・汎用輸入車診断機を複数台完備しておりますので高度なテスター診断や一般的には不可能と言われる中古コンピューターの同期作業等も可能です
ミニクーパーの車検・点検・修理でお困りの際は是非お気軽にご相談ください!
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