ここではスバル車(主に水平対向エンジン搭載車)のよくあるトラブルをまとめました 国産車の中でも、他メーカーではあまり見られないような特殊なトラブルも多いので、オーナーの方やスバル車に乗りたいとお考えの方は要チェックです!
内容や金額、該当車種に関しては一例です 修理の際は一度診断を行い、必要なパーツ等から正確な金額を算出致します
エンジン
まずは自動車の心臓部分、エンジン周辺のトラブルから解説していきます
スバル車のアイデンティティである水平対向エンジン特有の症状が発生します
続きを読む
タペットカバーからのエンジンオイル漏れ
スバル車で定番の故障と言えばエンジンオイル漏れです
特に伝統の水平対向エンジンがゆえにシリンダーヘッドが真横を向いていますのでタペットカバーパッキンからのオイル漏れは定番中の定番と言えます
また修理の際は一般的なエンジンとは90°ずれて作業する必要がある為、作業スペースも狭く、慣れが必要になります
症状 | 漏れたオイルが地面に付く・マフラーに付着し焦げたような臭いが出る |
原因 | タペットカバーパッキン(ゴム)の劣化による漏れ |
修理箇所・ポイント | 基本的には水平対向の為左右バンク修理する必要がある |
概算金額 | 30,000円くらい |
対応車種 | 水平対向エンジン(EJ20)搭載車全般 |
タイミングベルト交換
タイミングベルト交換は故障というより定期メンテナンスになります
メーカーでも10万kmでの交換が指定されているパーツになり、それを超えて使用し万が一走行中に切れてしまった場合はエンジン本体に深いダメージを与えてしまうトラブルに発展します
症状 | 距離指定交換の為、症状(ベルト切れ)が出てしまう前に要修理 |
原因 | ― |
修理箇所・ポイント | タイミングベルトの他テンショナー類シール類一式交換を推奨 |
概算金額 | 170,000円くらい~ |
対応車種 | 水平対向エンジン(EJ20)搭載車全般 エンジンの年式により構成部品に違いあり |
ラジエータークラック(割れ)冷却水漏れ
ラジエーターの上下に付く樹脂部分が経年劣化により割れる事で冷却水漏れを起こします
冷却水回路内は圧力をかける事で正常に作動する仕組みなので、かすかに見える程度のひび割れでもかなり勢いよく漏れてきます
症状 | 冷却水特有の甘い匂いがエンジンルーム周辺から臭う オーバーヒート ボンネットの隙間から白い煙が出る |
原因 | 樹脂部の経年劣化やカシメ部分の経年劣化 |
修理箇所・ポイント | 純正同等のOEM品で修理可能 |
概算金額 | 70,000円~ |
対応車種 | スバル全車種 |
2次エアコンビバルブ
2次エアコンビバルブはエンジンを冷間時に始動した時に濃く出る排気ガスを綺麗にするためのシステムの一部で、排ガス新規制をクリアするために装着された新機構です
バルブ内部が水分によりサビが発生し固着・動きが悪くなり、常に開きっぱなしになることでチェックランプが点灯します
症状 | 走行中にエンジンチェックランプ点灯 |
原因 | 2次エアコンビバルブの動作不良 |
修理箇所・ポイント | 2次エアコンビバルブの交換 |
概算金額 | 75,000円~ |
対応車種 | 主にGRBインプレッサ |
パワーステアリングポンプの異音
エンジンにつくパワーステアリングポンプがオイル漏れや内部故障を起こすと異音が発生します
特にエンジン冷間時に「ミャンミャンミャン」「ミューン」というような鳴き声のような異音が特徴的です
何れにしろ原因になるパワステポンプの交換が必要になります
症状 | 初期症状として冷間時に特徴的な異音 |
原因 | パワステポンプからの漏れ、もしくは内部不良の為キャビテーション(圧力差で液体が沸騰する現象)が発生 |
修理箇所・ポイント | リビルト(再生中古)のパワーステアリングポンプがコスパに優れた修理方法です |
概算金額 | 50,000円~ |
対応車種 | 水平対向エンジン(EJ20)搭載車全般 |
インテークマニホールドフラップ(タンブルジェネレーターバルブ)故障
インテークマニホールドフラップはインテークマニホールドとエンジンの間についており、冷間始動時と暖気後に開閉動作を行う事でエンジン内に流れる空気の量を調整しています
これが壊れてしまうと適正な量の吸気ができずエンジンチェックランプやVDC警告灯が点灯し、運転者にお知らせします
また、エンジンも不調となりますので走行時に支障が出てしまいます
症状 | エンジンチェックランプ点灯、VDC警告灯点灯、SI-DRIVE表示灯点滅、加速時のもたつき、加速不良 |
原因 | タンブルジェネレーターバルブの電気的故障 |
修理箇所・ポイント | タンブルジェネレーターバルブの交換 同時に2次エアバルブも交換すると良い |
概算金額 | 100,000円~ |
対応車種 | 主にGR/GVインプレッサ系 |
カムキャリアからのオイル漏れ
現在販売されている車種に搭載されているFB型のエンジンでは、タペットカバーパッキンよりもさらにエンジン側のカムキャリアとシリンダヘッドの繋ぎ目にガスケットパッキンを使用しており、そこから経年劣化によりオイルが漏れてきます
エンジン脱着しての作業になりますので高額かつ時間が掛かる作業となります
症状 | カムキャリアとシリンダヘッドの繋ぎ目からのオイル漏れ |
原因 | 液体ガスケットの劣化によるオイル漏れ |
修理箇所・ポイント | エンジン脱着、カムキャリアの液体ガスケットパッキン交換 |
概算金額 | 250,000円~ |
対応車種 | FBエンジン搭載車両 |
エンジン上部ヒーターパイプからの冷却水漏れ
エンジン上面にある左右バンクのシリンダー部分をつなぐパイプからの冷却水漏れ症状です
パイプの接合部分にはOリングという環状のパッキンが入っています
このOリングの劣化やパイプのクラック(割れ)によって冷却水漏れが発生します
症状 | オーバーヒートや異臭 |
原因 | 経年劣化によるOリングの劣化 |
修理箇所・ポイント | ヒーターパイプの交換 Oリングの交換 |
概算金額 | 50,000円~ |
対応車種 | 水平対向エンジン(EJ20)搭載車全般 |
エンジンマウント劣化
エンジンと車体の間で振動などを吸収するゴムマウントが、経年劣化により潰れてエンジン全体が下に下がってしまいます
その為車種や症状の程度によってはメンバーとの隙間が無くなりメンバーと干渉し、冷間時にガシャガシャと凄い異音が発生するケースもあります
症状 | 冬の寒い日に症状が出るが気温が高い日は症状が出なくなる |
原因 | エンジンマウントの経年劣化 |
修理箇所・ポイント | 純正部品で交換をおすすめ 社外パーツは微振動が増える場合がある |
概算金額 | 100,000円~ |
対応車種 | BP/BL系のレガシィ |
ミッション・デフ
他メーカーに比べマニュアル車の比率が高いスバル
クラッチ周辺など、オートマ車とは違ったトラブルが発生します
続きを読む
クラッチ交換
マニュアル車比率が高いからこそですが、M/T車では宿命的なメンテナンスポイントになります
距離と共にクラッチディスクが摩耗し、やがてクラッチが滑る(強制的に切れてしまうような状態)症状が発生します
またそれ以外にもクラッチ付属品のレリーズベアリングが破損し、ミッションケースを壊してしまうトラブルもありますので何れにしろ摩耗が見られる場合は早めの交換がお勧めです
また車種によりデュアルマスフライホイル搭載車、プル式・プッシュ式等複数バリエーションが存在しそれぞれに応じた的確な修理作業が求められます
症状 | 半クラ位置が以前と違う クラッチペダルの操作に応じて異音が出る |
原因 | 摩耗による定期交換部品 |
修理箇所・ポイント | 基本的にはクラッチセット(カバー、ディスク、レリーズベアリング)を交換 ディアルマスフライホイール車はフライホイールも同時交換 |
概算金額 | フライホイール交換無し 150,000円~ フライホイール交換有 250,000円~ |
対応車種 | 各マニュアルモデル全般 |
シフトリンケージブッシュ劣化
マニュアル車についてるシフトリンケージ(ドライバーのシフト操作を伝えるロッド類)、特にスバルのM/T車は他メーカーと構造が異なる為、ブッシュが劣化することでシフトノブがグラグラになってしまいます
グラグラになってしまったシフトはどのポジションに入っているか分かりにくい為、ドライブフィールが悪化するのはもちろん、酷くなるとシフトの誤操作による事故に危険性もあります
症状 | シフトノブの操作が不安定になる どの位置にギアが入っているか分かりづらい |
原因 | シフトリンケージブッシュの経年劣化による破損 |
修理箇所・ポイント | シフトリンケージのブッシュ交換、STIパーツにてアッセンブリ交換 |
概算金額 | 40,000円~ |
対応車種 | 各マニュアルモデル全般 |
デフサイドシールからのオイル漏れ
回転系オイル漏れの1つであるデフサイドシールからのオイル漏れ症状です
特にスバル車だとフロントのデフサイドオイルシールは非常によく漏れるトラブルポイントです
通常交換するとそれなりに工賃がかかる箇所ですのでクラッチ交換時(ミッション脱着時)にセットで交換してしまうとお安く作業可能です
症状 | デフサイドシールからのオイル漏れ |
原因 | デフサイドシールのゴム部の経年劣化および損傷 |
修理箇所・ポイント | フロントデファレンシャルまたはリアデファレンシャルのドライブシャフトが挿入されている箇所 フロントに関しては、ミッション脱着時に同時交換がオススメ |
概算金額 | 30,000円~ |
対応車種 | スバル全車種 |
ボディ・足回り
長く乗り続ける方が多いスバル車だからこそ、足回りのリフレッシュやブレーキなど走行距離に応じたメンテが必須です!
続きを読む
ショックアブソーバー交換(リフレッシュ)
走行距離が10万キロを超えていたり、年数が経っていてショックアブソーバーの経年劣化やゴムブッシュの経年劣化による異音などで悩まされているお客様に向けてリフレッシュプランとして、ショックアブソーバーの交換をオススメしています
純正品もあれば社外品(純正形状)や車高調整と幅広く取り扱っており、お客様のニーズに合わせてご相談させて頂いております
また、最近ですと純正品がビルシュタイン製のショックアブソーバーの車種もあり、純正で交換すると大変高額になるケースも・・・そういった場合のご相談もお受けしております
症状 | ショックアブソーバーの劣化による乗り心地の低下 走行時の段差等通過時の異音 ハンドル操作時の異音 |
原因 | 摩耗、経年劣化による損傷部品 |
修理箇所・ポイント | ショックアブソーバー、アッパーマウント 同時にゴム部品を交換するとベスト 純正品や社外品あり |
概算金額 | 100,000円~ |
対応車種 | スバル全車種 |
ロアアームブッシュ切れ
スバル車の足回りウィークポイントと言えば・・・ロアアームブッシュのひび割れ症状です!
車両の構造上、どうしても傷みやすい箇所ではあります
特に今から中古車でスバル車の購入を検討している方や購入して間もない方は是非ご相談くださいませ!
車種によって2種類のアームがありますので一度車両を拝見させていただきプランをご案内いたします
症状 | 極低速時の異音が起きる 一定速度でハンドルが振れてしまう等 |
原因 | 年数や走行距離によるゴム部の劣化 |
修理箇所・ポイント | ロアアームブッシュの交換 ※アルミロアアームのみ打ち換え対応可能 鉄ロアアームの場合はASSY交換 ボールジョイントも同時交換するとベスト! |
概算金額 | 50,000円~ |
対応車種 | 普通乗用車全般 |
ブレーキパッド交換
車を止める仕事をしているのがブレーキです
その構成部品で消耗品と言われるブレーキパッドはディスクローターとこすれ合うことで減っていきます
ブレーキの使用頻度により消耗具合は変わりますが、新品では10mmほど厚みが有るところ、3mm以下まで減ると交換目安となります
症状 | 車両移動時の甲高い「キーキー」、ブレーキを掛けた時に「ゴー」という音がする |
原因 | ブレーキパッドの使用過多 |
修理箇所・ポイント | フロントもしくはリアのブレーキパッド フロントは減りやすいので点検等で見てもらうことをオススメ |
概算金額 | 20,000円~ |
対応車種 | スバル全車種 |
ディスクローター摩耗
ブレーキパッド同様にディスクローターもこすれ合っているので、もちろん消耗するパーツになります
ただ、ブレーキパッドに比べたら金属ですので消耗具合は遅いです
ブレーキパッドの交換を2、3回したら、ディスクローターも交換となります
目安としては、ローターの表面に写真のような段差が出てきたら交換になります
STI車両等はブレーキが強化されているのでより消耗しやすい傾向にあります
症状 | 消耗による異音、甲高い音 |
原因 | ブレーキの使用による摩耗 |
修理箇所・ポイント | ディスクローター、ブレーキパッドも同時交換 |
概算金額 | 40,000円~ |
対応車種 | スバル全車種(ブレンボキャリパー装着車含む) |
ハブベアリング異音
ハブベアリングに不具合が起きると60km/hくらいで走行していると「ゴー」や「ウォンウォン」などの異音が発生します
最初はかすかに聞こえるくらいですが、ひどくなり始めると車内での会話に影響が出るくらい大きな音がします
車体の重さを受け止めタイヤを回転させる重要なパーツですので、そのまま放置してしまうとタイヤが回らなくなったり、脱輪してしまう危険性があります
気づいた際は早期対応をしましょう
症状 | 走行時の異音、うなり音 |
原因 | ハブベアリングの劣化、偏摩耗 |
修理箇所・ポイント | 該当する箇所のハブベアリング交換 |
概算金額 | 50,000円~ |
対応車種 | スバル全車種 |
ステアリングラックオイル漏れ
油圧式のパワステ機構は各部にシールパッキン等を使用しています
このパッキンのゴムが劣化すると、隙間ができて滲むようにオイル漏れが発生します
パワステオイルが漏れて量が減るとハンドル操作が素直に出来なくなり、走行に支障が起きます
スバル車はステアリングラックのリビルト品が数多く出回っていますのでアッセンブリにて交換を行っています
保証もついているので中古を使用するより安心です
症状 | ステアリングラック本体からのオイル漏れ |
原因 | ステアリングラックのゴムパッキンの劣化 |
修理箇所・ポイント | ステアリングラック本体の交換、ホース類やポンプも状態によっては同時交換をオススメ致します |
概算金額 | 70,000円~ |
対応車種 | 油圧式パワステを使っている車両 主にGD系やBP/BL系 |
電装品
経年でどうしても不具合が起こりやすいエアコンコンプレッサーなどの電装部品
他の部分に比べて急に不具合が起こりやすいので要注意です!
続きを読む
A/Cコンプレッサー故障
エアコンスイッチを入れるとコンプレッサーが駆動することにより、冷たい風が作り出されます
ですが、コンプレッサーが壊れてしまうと当然エアコンが効かなくなります
こうなると夏季期間はとてもつらい目に遭うのは想像に難くないですね
エアコン作動中に異音がしている場合は要注意!
昨今の猛暑ではエアコンは最早、生命維持装置!突然効かなくケースもありますので異変を感じたら早めの修理をおすすめします
症状 | エアコンスイッチを入れてもコンプレッサーが動かない 冷たい風が出ない |
原因 | マグネットクラッチの断線、コンプレッサー内部損傷 |
修理箇所・ポイント | コンプレッサーのリビルトにて交換、場合によってはコンデンサも同時交換 |
概算金額 | 70,000円~ |
対応車種 | エアコン搭載車 |
フューエルポンプ故障
エンジンが動くためにガソリンタンクからガソリンを常に送り出す役目のポンプですが、年数による劣化で突然故障してしまいます
基本的にフューエルポンプが故障するとエンジンは始動できません・・・
フューエルポンプの不具合点検では、作動してしまっていると判断が難しいです
オススメとしては、予防整備の形をとり年数が経過しているもしくは走行距離が多い場合は交換をしたほうが安心です
症状 | 突然のエンジンが止まってしまう、その後再始動できない イグニッションON時に作動音がしない |
原因 | フューエルポンプ本体の内部故障 |
修理箇所・ポイント | フューエルポンプの交換、ケースごと交換するとなおGood 別体のフィルターも交換推奨 |
概算金額 | 70,000円~100,000円 |
対応車種 | スバル全車種 |
その他
外装、内装パーツなどは経年劣化が目で見てはっきりと分かってしまう箇所です
愛車を古く見せないためにも交換など対策をしてリフレッシュしましょう!
続きを読む
ダッシュボードのひび割れ
BP、BLレガシィの初期モデルは製造されてから約20年が経過します
屋外にて車両を保管されている方が特に悩まされるのがダッシュボードの劣化によるひび割れやべたつきかと思います
紫外線により痛んでしまったダッシュボードの表面をキレイしようとしたのに悪化してしまったことはありませんでしょうか
べたついてしまったダッシュボードの表面は多少ごまかすことは出来ますが完全には綺麗になりません
ですが、メーカーからのパーツ供給がまだありますので今のうちにリフレッシュしておくと長持ちします
症状 | ダッシュボードの表面がひび割れやべたつき |
原因 | 直射日光による紫外線のダメージ蓄積により割れてしまう |
修理箇所・ポイント | ダッシュボードの交換 |
概算金額 | 100,000円くらい |
対応車種 | BP、BLレガシィ等 |
過去整備ブログ一覧
小林モータース株式会社
千葉県松戸市の小林モータースでは沢山のスバリストの皆さんに選ばれて、メーカーを限定している訳ではありませんが、年間300台以上ご入庫頂いております
特にインプレッサやレガシィのお乗りのオーナー様で修理やメンテナンスでお困りの方は是非最後までご覧ください!
リンク
コラム
整備レポート
YouTube
【店舗情報】
千葉県松戸市の修理工場なら 小林モータース
国産車・外車、メーカー問わず修理可能です
中古パーツ・リビルトパーツ・社外パーツを使った修理もお任せ下さい
お客様からのご連絡をお待ちしています
小林モータース株式会社
047-387-0398
千葉県松戸市五香2-3-2
9:00~19:00 水曜定休