
ミニに限らず輸入車は「壊れる」というイメージを持たれがち でも実は、F56系前期(2014〜2017年ごろ)には“定番”とも言えるトラブル箇所がいくつかあります このページでは、プロの整備士目線で「ここは知っておいて!」という5項目を厳選して解説 します
購入前のチェックリストにも、現オーナーの参考にもなる内容です!
※弊社は俗にいう新型ミニ=BMW製ミニ専門の修理工場となっております。ローバーミニ、クラシックミニに関しての修理はお受けできませんのでよろしくお願いします。 また正確には「ミニ」という車の「クーパー」というグレードですので「ミニクーパー」と呼ぶのは車種を指す場合には不適切ですが、文章上小さい・コンパクトを指すミニと車を指すミニの混同を防ぐ為、ここではミニ全般をミニクーパーと呼称します

特に前期型には壊れやすい部分がある
逆に言えば「それさえケアすれば、長く乗れる」!
オイルフィルターハウジングからのオイル・冷却水漏れ
F56前期で最もメジャーな“漏れあるある”がここ
樹脂製のハウジングが経年で変形・劣化し、ガスケット交換だけでは直らないケースも多発します
さらに交換できるパーツは純正品が多く、再発リスクも高いのが注意すべきポイントです
【チェックポイント】
・下に垂れているような漏れだと可能性大!
・強化されたアルミ製フィルターハウジングの選定もあり!


サーモスタットキャリアからの冷却水漏れ
冷却系で多いのがここ
サーモスタットと一体になったアルミ製のキャリア(ハウジング)から水漏れするパターンです
これも樹脂劣化による“持病”のようなもので、走行5万km前後から注意が必要です
またパーツ供給にも問題あり!
この部分が3つの構成部品(ウォーターポンプ、サーモスタット、キャリア)がセットでの供給しかなく、比較的高額になってしまう部分です
【チェックポイント】
・冷却水リザーバーの水が減っていないか
・修理履歴があるか、水回りの部品が交換されているかを確認

エンジンマウントの液漏れ・振動増加
F56ではエンジンマウント内にオイル(液体)が封入されており、ここが劣化するとゴムの破断・液漏れ → 振動増加につながります
「最近なんかアイドリング時にガタガタするな?」と思ったら高確率でココが原因です
【チェックポイント】
・早いと数万キロから劣化が見えてくる
・振動が大きい車両は、マウントのヘタリを疑って

シフトスプリングの不具合
F56前期ではシフトレバー本体の不具合が多く発生しています
これはユニット内部のスプリング折れが原因で、Pに入れたタイミングなどでエラーの表示が出ます
【チェックポイント】
・エンジンを切って「ミッションエラー」「車両動き出し注意」などがでれば可能性大
・通常はユニット丸ごとの交換だが裏技的に内部スプリングだけを交換する方法もあり

テールランプ裏カプラーの溶損
F56前期ではテールランプ裏のカプラーが熱で溶ける不具合が比較的多く報告されています
症状としては「片側だけ電気が全く点かない」というもの
こちらも純正でリペアパーツが後から発売されましたので、カプラーの単品修理とテールランプ内部基板のみ交換で修理可能です
【チェックポイント】
・片側テールランプ完全不点灯、それに伴いエラーメッセージ表示
・思い切ってLCIテール(ユニオンジャックテール)に交換もあり

まとめ:F56前期は“ウィークポイント”を知っていれば怖くない!
F56系の前期モデルは、魅力的な価格帯とデザインの完成度で非常に人気があります
ただし、上記のように「壊れやすい部位」があるのも事実
でも、逆に言えば「それさえケアすれば、長く乗れる」のがF56の良さでもあります
既にオーナーの方は修理も勿論OK!
これからオーナーになろうという方はトラブルポイントも含めてアフターサービスを完全バックアップ可能です!
是非ご検討ください
詳細な修理事例や費用感は、各部位ごとのコラムで個別に解説しています
気になる箇所はぜひ併せてチェックしてください
過去の実績一覧

小林裕太(こばやし・ゆうた)
国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長
欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。
【店舗情報】
千葉県松戸市の修理工場なら 小林モータース
国産車・外車、メーカー問わず修理可能です
中古パーツ・リビルトパーツ・社外パーツを使った修理もお任せ下さい
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小林モータース株式会社
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