Maintenance

修理コラム

2025.06.24

【ミニクーパー】BMW MINI 第3世代 F56系 冷却水が減る?サーモスタットハウジングからの水漏れ

「駐車場に冷却水の跡が…」「リザーバータンクがいつの間にか空っぽ…」
そんな冷却水漏れトラブル、実はF56系ミニの“持病”のひとつともいえる問題です
特に樹脂製のサーモスタットハウジングからの漏れが多発しており、放置しているとオーバーヒートなど深刻なエンジントラブルに直結するケースも

今回は、F56ミニに多いサーモスタットからの水漏れについて、原因・症状・修理対応をわかりやすく解説します

※弊社は俗にいう新型ミニ=BMW製ミニ専門の修理工場となっております。ローバーミニ、クラシックミニに関しての修理はお受けできませんのでよろしくお願いします。
また正確には「ミニ」という車の「クーパー」というグレードですので「ミニクーパー」と呼ぶのは車種を指す場合には不適切ですが、文章上小さい・コンパクトを指すミニと車を指すミニの混同を防ぐ為、ここではミニ全般をミニクーパーと呼称します
F系ミニで振動が気になる場合はエンジンマウントが原因かも
F系ミニでは5万km~10万km前後でエンジンマウントの劣化が見られる

症状:冷却水が減る/漏れる

「エンジンルームから甘い匂いがする」
「駐車後に下に水が落ちている」
「冷却水警告が何度も点灯する」
このような症状が出ている場合、冷却水がどこかから漏れている可能性が高く、中でも樹脂製サーモスタットハウジングからの漏れが定番原因のひとつです

原因箇所と構造

F56系では、エンジンの冷却を制御するサーモスタットユニットが金属の土台部分と樹脂製のサーモスタット、そしてウォーターポンプまでが1つの部品として構成されています
このパーツのパッキンや樹脂部分の変形、エンジンの熱と振動で長年使用すると漏れが発生しやすくなります

対応車種

F56系(第3世代ミニ)の前期車両
※ONE/COOPER/COOPER S問わず、B48系エンジン/B38系エンジンどちらも該当

BMW MINI 第3世代 F56

F56 3ドアハッチバック

BMW MINI 第3世代 F55

F55 5ドアハッチバック

BMW MINI 第3世代 F54

F54 クラブマン

BMW MINI 第3世代 F60

F60 クロスオーバー

BMW MINI 第3世代 F57

F57 コンバーチブル

不具合の原因

• ハウジングの樹脂部分の経年劣化
• 熱と振動による接合部のゆるみ
• パッキンの劣化・硬化

劣化の見極め方(判断方法)

•エンジン前方や下側に白く乾いた跡がある(水跡)
•リザーバータンクの冷却水が目減りしている
•車内に冷却水の独特な匂いがする
•オーバーヒート気味になる/警告灯が点灯する

但し、F系ミニはフェルト生地のアンダーカバーが下面一体を覆っている為、かなり症状が酷くならないとオーナー様自身で見つけることは困難です

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修理方法と推奨対応

基本的にはサーモスタットユニット一式の丸ごと交換
これは部品としてはわれている(複数の部品で組み立てられている)のですが、パーツリスト上では「1つの部品」として扱われているため、購入できるのも丸ごとのみになってしまう為です

一部の希望としてはOEMの単体サーモスタットも存在しているのでそちらを使用するとお安くすることも可能です

作業は冷却水も抜き替え・エア抜き作業を伴うため、整備としてはやや本格的な部類になります

費用目安

• サーモスタットユニット交換:約15万円(部品+工賃込み)
※部品は単品OEM品であれば多少コストダウンも可能

ちょっと豆知識::後期型(LCI)以降は、実はけっこう安心

F56系ミニのサーモスタットユニットは、前期型でこそ“定番の冷却水漏れポイント”として知られていましたが、LCI(マイナーチェンジ)以降の後期型では明確に改善されています
具体的には、パーツの取り回しの見直しや造りの強化が施されており、実際に現場でも漏れの修理入庫は激減しています
今のところ「F56LCIは絶対ここが漏れるから覚悟しておいて」というような“持病”とは言いづらい状況になっています
後期型のオーナーさんは少し安心していい部位というわけです!
ただ、このまま年数が経ってくると新たな定番トラブル箇所になる可能性もあるかもしれません・・・!


その他コラム

注意ポイント

他にも冷却水が漏れるポイント(ラジエーター、フィルターハウジング)がありますが、 かなり密集しているところでもあるのでしっかりと経験のある整備士が確認する必要があります

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まとめ:漏れたら“即手当”が鉄則!

冷却水漏れは、放っておくと確実にエンジン本体のダメージにつながるトラブルです
特にF56系ミニのサーモスタットは“漏れる前提”で経年交換を検討するべきポイントといえます

異変に早めに気づいて、エンジンを守るメンテナンスを行ってあげましょう!

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小林裕太(こばやし・ゆうた)


国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長

欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。


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