
F系ミニクーパー(F56/F55/F57)に乗っていて、最近「なんかアイドリングで車がブルブルする」「加速の時にガクンとくる」と感じている方、それエンジンマウントの劣化かもしれません!
今回は、F56系に多い「エンジンマウント不良」について、症状や原因、修理方法、そして注意点まで詳しくご紹介します!
※弊社は俗にいう新型ミニ=BMW製ミニ専門の修理工場となっております。ローバーミニ、クラシックミニに関しての修理はお受けできませんのでよろしくお願いします。 また正確には「ミニ」という車の「クーパー」というグレードですので「ミニクーパー」と呼ぶのは車種を指す場合には不適切ですが、文章上小さい・コンパクトを指すミニと車を指すミニの混同を防ぐ為、ここではミニ全般をミニクーパーと呼称します

F系ミニで振動が気になる場合はエンジンマウントが原因かも
F系ミニでは5万km~10万km前後でエンジンマウントの劣化が見られる
症状

・エンジンの振動が室内に強く伝わる
・アイドリング中、ステアリングやシート下がブルブル震える
・発進・停止時のショックが大きくなる
・アクセルオン/オフで前後にガクつく感じが出る
このような症状が出てくると、エンジンマウントの劣化を疑うタイミングです。

原因箇所


F56系のエンジンマウントはエンジン右側(エンジンルーム見る形で向かって左側)のメインマウントがよくダメになります
液封式マウントのため、中のオイルが漏れてしまうと本来の制振性能を失います

対応車種
クーパーSも含む全グレードで共通です

F56 3ドアハッチバック

F55 5ドアハッチバック

F54 クラブマン

F60 クロスオーバー

F57 コンバーチブル
原因
主な原因は経年劣化と熱害と言われています
エンジンのすぐ横、熱がこもる位置にあるため、長年の使用でマウント内の液体が抜け、ゴムが裂けてしまいます
特にストップ&ゴーが多い街乗りでは劣化が早まる傾向にあるとの意見もあります
判断
新品と比べるとエンジンの位置が下がっていたり、マウントからオイルのような液体がにじんでいたりすればアウト
また、隙間から覗くと明らかに潰れて変形しているのがわかるケースもあります
診断は基本的に目視にて行います

修理方法
エンジン右側のマウントを新品へ交換します
基本的にエンジンを少し持ち上げて作業するため、リフトとジャッキアップが必須
作業自体の難易度はF56系とF54系のボディ―サイズの違いと、グレードによるエンジンの違いによる組み合わせで大きく変わります

金額
上記同様エンジンとボディの組み合わせにより工賃が変動しますが、ザックリ税込5~10万円前後になります
比較
第2世代(R系)に比べ、F系は電子制御や制振性能が進化している分、マウントの構造も複雑化&高価になっています
R系ではもう少しゴムマウント的なシンプル構造でしたが、F系ではより大型化し、「交換必須パーツ」感が強いです


その他コラム
まとめ
F系ミニでは5万km~10万km前後でのエンジンマウント劣化が目立ちます
早ければ2万km位から劣化がでるケースもあります!
振動や発進時の違和感が出たら、早めに確認・交換をおすすめします
「走れるから大丈夫」と放っておくと、他のマウントやミッションに余計な負荷をかけ、さらなる故障につながることも
費用はかかりますが、快適さと車体寿命を守るための“消耗品交換”として、早めの対処が吉です!
過去の実績一覧

小林裕太(こばやし・ゆうた)
国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長
欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。
【店舗情報】
千葉県松戸市の修理工場なら 小林モータース
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