
「気がついたら冷却水が減ってる」 「オーバーヒート警告のメッセージが出る!」 そんな症状、実はR56系ミニクーパーでは“あるある”の冷却系トラブルです 今回ご紹介するのは、R56系MINIに非常に多い「サーモスタットハウジングからの冷却水漏れ」 地味に見えて放置するとオーバーヒートやエンジン損傷に繋がる重大故障になることも
でも、なぜこんな部分が漏れるの?
構造は? 修理費用は?
専門店としての視点で、分かりやすく解説していきます
※弊社は俗にいう新型ミニ=BMW製ミニ専門の修理工場となっております。ローバーミニ、クラシックミニに関しての修理はお受けできませんのでよろしくお願いします。 また正確には「ミニ」という車の「クーパー」というグレードですので「ミニクーパー」と呼ぶのは車種を指す場合には不適切ですが、文章上小さい・コンパクトを指すミニと車を指すミニの混同を防ぐ為、ここではミニ全般をミニクーパーと呼称します

冷却水が減ってたら要注意!可能性大
第2世代ミニでは定番ポイント 周辺パーツ交換も必要かも?
症状:冷却水が少しずつ減る・地面に水が落ちる

•エキスパンションタンク(サブタンク)の水位が徐々に下がる
•チェックランプ等のエラーメッセージの表示
いずれもサーモスタット付近からの漏れがある可能性がある症状です

原因箇所:サーモスタット一体式の樹脂製ハウジング


経年劣化により、
• 樹脂の歪み・割れ・接着の劣化
• 内部のOリングの硬化・変形
が発生し、結果として冷却水が漏れ出すのです
エンジン向かって右側のミッションの上に取り付けられているので漏れた冷却水はミッションケースに溜まります
比較的診断が簡単なケースが多いですね!

対象車種
基本的に、N12・N14・N16・N18系エンジン全般で共通の持病と考えてOKです。

R56 ハッチバック

R55 クラブマン

R57 コンバーチブル

R60 クロスオーバー

R61 ペースマン

R58 クーペ

R59 ロードスター
修理方法
サーモスタットハウジングAssy(丸ごと)を交換します
構成部品としては、サーモスタット/ハウジング本体/センサーなどが含まれ、基本はまとめて交換されます
作業中には冷却水(クーラント)を抜く必要があるため、クーラント補充・エア抜きなどを含めて作業が行われます

また周辺のホースや、バイパスパイプと呼ばれるサーモスタットから更に奥にあるパーツも劣化しやすいポイントです!
場合によっては同時に交換をお勧めします!


注意ポイント:安価な社外品にはご注意を!
Amazonやネットショップなどで販売されている格安の社外品(特に海外コピー品)には、
• 樹脂の強度不足
• 温度制御の不良
• 数ヶ月で再度漏れるなどの不具合
が散見されます。
当店では信頼性の高いブランド・純正同等品を使用しており、「安かろう悪かろう」な部品は基本的に非推奨です
その他コラム
ちょっと豆知識:サーモスタットの漏れ以外のトラブル
漏れだけでなく、冷却水温の制御自体が不安定になることも
温まりが遅い、逆に熱が下がらない、というケースはサーモスタット本体の動作不良が原因のことも多いです
この辺りの症状ではチェックランプが点灯する事が多いです!
「冷却水が減る」だけじゃないのがこのパーツの厄介なところです
まとめ|R56では“定番”の冷却系トラブル
漏れはユーザー様では気づきにくいことも、でも放置すると命取り!
当店でも年間通して修理実績多数のこのトラブル
「ちょっと冷却水が減ってるかも…?」、「なんかチェックランプが点灯した」と感じたら、すぐに点検・修理をご相談ください!
過去の実績一覧

小林裕太(こばやし・ゆうた)
国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長
欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。
【店舗情報】
千葉県松戸市の修理工場なら 小林モータース
国産車・外車、メーカー問わず修理可能です
中古パーツ・リビルトパーツ・社外パーツを使った修理もお任せ下さい
お客様からのご連絡をお待ちしています
小林モータース株式会社
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