BMW MINI クーパーS R56 タイミングチェーン交換
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オイルレベルゲージが奥まで嵌りきらないとのことでご相談を受けました
一見大事ではなさそうですが、早速原因を確かめましょう
ブログですので点検とメンテナンスが同時になってしまいますが、実際には一通り診断後、お見積りを作成、お客様とお打合せ後、修理作業を進めていきます
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このプラスチックの部品はタイミングチェーンの受けになるスライダーなのですが、割と不具合の多いパーツではあります
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なんとオイルゲージの入り口の黒いパイプの先はこのパーツの一部に繋がっています
ゲージが奥まで入らないということは、すなわちこのパーツの奥の方が詰まってしまっているということです
我々整備士もあまり聞いたことのない症状ではあるのですが、取り外してみることにしましょう
た、このスライダーを交換するついでにタイミングチェーンも確認してみましょう
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タイミングチェーンが伸びるというのは散々言われていることですが、タイミングチェーンはクランクシャフトとカムシャフトを同期させタイミングを合わせるパーツです
これが伸びてしまうとタイミングがズレてエンジン不調に繋がります
SSTという特殊工具を使い確認すると、若干伸びていることが確認できたので同時に交換しましょう
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チェーンとスライダーを取り外しました
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オイルゲージがはまらなかった原因はスライダーの一部が割れていました
これが砕けたりしてしまうとオイルと一緒に吸い上げられてエライことになります
とりあえず形を保っていて一安心といったところでしょう
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チェーンも取り外して改めて見たところコマ一つ分程度伸びていました
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新しいものを組んで取り付けました
MINIのエンジン設計は、壊れやすいのを理解してるのか何なのかわかりませんが、
カバーもなくチェーンを取り付けしやすいようにできています
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このあとヘッドカバー等を戻せば作業完了です
オイルレベルゲージも置くまでスッキリ嵌りますし、タイミングもSSTを使用し、しっかり合っています
そのほかの異常も無いことを確認してからオーナー様にご返車させて頂きました
MINIにおけるタイミングチェーンの作業はちょっと癖があると言えます
そもそもどれだけ腕の良くて知識のある整備士でもSSTがなければ全く作業できないですし、ある程度MINIの扱いに慣れた工場でないと整備できない可能性もあります
ご依頼されるときは過去の修理実績など、工場選びに注意していただければと思います