
「エアコン効かないんですけど…」 ミニ乗りなら、一度は経験する“あるある”トラブル。 でもこのエアコントラブル、実は「どの世代のMINIか」で発生パターンが全然違うんです。
ここでは世代別によくあるトラブルをまとめました
※弊社は俗にいう新型ミニ=BMW製ミニ専門の修理工場となっております。ローバーミニ、クラシックミニに関しての修理はお受けできませんのでよろしくお願いします。 また正確には「ミニ」という車の「クーパー」というグレードですので「ミニクーパー」と呼ぶのは車種を指す場合には不適切ですが、文章上小さい・コンパクトを指すミニと車を指すミニの混同を防ぐ為、ここではミニ全般をミニクーパーと呼称します

世代によって壊れやすいポイントが異なる!
世代に多い不調を知っておくことで早めの対処を
→【参考】これでMINIを見分けられる! ~歴代ミニを世代別に徹底解説~
R50系:コンプレッサー焼き付きは“定番中の定番”

初代BMW MINIとも言えるR50/R53系(2001〜2006年頃)の、エアコンまわりで一番よく見かけるのがコンプレッサーの焼き付きトラブルです

特に注意したいのが、電動ファンのロー側(低速)が回らないまま使用を続けてしまうケース
エアコンシステム自体の冷却が間に合わず、コンプレッサーが過熱→焼き付き→エアコン一発アウト…という王道パターンです
しかも一度コンプレッサーが壊れると、金属粉(スラッジ)が配管内に回ってしまい、コンデンサー・エキパン・レシーバー…全部交換コースになることも少なくありません
→【参考】BMW MINI 第1世代 R50・R53・R52 電動ファン不良
システム自体は比較的シンプルで整備性も高いのですが、だからこそ「冷却ファン」「コンプレッサー」といった基本部分のチェックが重要です
“壊れる前に守る”整備が一番効果的な世代と言えるでしょう
R56系:冷えないだけじゃない、「風が出ない」パターンも登場!

2世代目となるR56系(2007〜2013年頃)でも、やはりコンプレッサートラブルは多め
構造はやや複雑になったものの、やっぱり“焼き付き”が多いのは変わらずです
しかしR56ではもうひとつ、“違う意味での効かない”症状が出てきます
それが、ブロアモーター不良による送風停止
• 風は出ないけどスイッチは入る
• 冷たい、暖かい以前に風が出ない!
そんな場合は、ブロアモーターの不良が疑われます
この世代は、「冷風が出ない」「風が出ない」のエアコントラブル2大巨頭を抱えているといってもいいでしょう
→【参考】BMW MINI 第2世代 R56系 エアコンが突然止まった?ブロアモーター不良の可能性とは


F56系:見かけは丈夫。だけど“中身の難易度”は急上昇!

第3世代のF系(F55/F56/F57など)に入ると、一気にコンプレッサー不良は減少します
構造も性能も信頼性も、R系までとは別物レベルに進化
とはいえ、“目立ったトラブルがない=壊れない”とは限らないのがミニ
最近よくあるのが…
エアコンユニットの内部不良
エアコン制御ユニット側の問題で、内部で調整が効かず、冷風がでないということがあります。
診断にはテスター(診断機)での細かいチェックやライブデータの読み取りが必須

排水設計の不具合(最初期型)
F56の初期モデルでは、エアコン使用時の排水ルート設計が甘く、車内へ水が漏れるというケースも
「助手席の足元が濡れてる…」というときはこのトラブルの可能性大
コンプレッサー不良が減った半面、“開けてびっくり”なトラブルが多くなった印象です
まとめ:壊れる“部品”より、“傾向”を知っておくと安心
エアコンが壊れると、快適性が下がるだけでなく、走行中の安全にも関わるケースも!
ミニの場合、見た目は似てても中身はまったくの別物
「世代ごとに壊れ方が違う」ってことを知っておくだけで、早期の気づき→スムーズな対応→ムダな出費の回避にもつながります
次にエアコンがちょっと変だな?と思ったら、「これ、うちの世代のMINIあるあるかも」と疑ってみるといいかもしれません!

小林裕太(こばやし・ゆうた)
国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長
欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。
【店舗情報】
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