第3世代のミニにフォーカスして解説していきます! 快適装備や走行性能など、より扱いやすい上質な車へと進化した第3世代 「ミニらしさ」という点では好みが分かれるかもしれませんが、スタイリッシュなルックスとゴーカートフィーリングはしっかりと感じられます
プレミアム感のある3世代目
2014年に満を持して登場したのが第3世代ミニです
モデルコードからFミニとも呼ばれます
R56系と同様、F系の各モデルはそれぞれ乗り味、エンジンフィールなどはだいたい似たような感じです
2024年まで生産されていたこともあり、現代の車と言って差し支えないです
歴代モデルの中では装備面での満足度は頂点です
スマートキー、カーナビ、ハンズフリー通話、ETC利用履歴が見れるなど、普段使いで全く不満のない充実装備の車になりました
基本のコンセプトは変わらないもののインテリアの質感など高級車路線になったこともあり、まさに「小さめのBMW」といった感じです
LCI以降の後期型ではEPB(エレクトリックパーキングブレーキ)、LEDヘッドライト、アクティブクルーズコントロール(車間距離制御)が装備されるなど、機能面で最新の国産車と比較しても見劣りしません
3ナンバーになり更にボディーは大型になりましたが、R56と比較するとそこまで大きく感じません
同じ位の大きさの枠の中で、専有面積が大きくなったという感じが正しい気がします
よりむっちりしたと言ってもいいかもしれません
同世代のBMW1シリーズ・2シリーズもFFになり共通する部分が圧倒的に増え、本質的にBMWの車になりました
システムやエンジン、プラットフォームが共通なので、実質「見た目がポップなBMWの車」です
またF系になりディーゼル車の選択肢が増えました
しかし中古で買うならガソリン車の方が無難です
日本の道路事情や車を使う環境ではディーゼル車ではあまり合わず、「煤詰まり」によるトラブルが頻発する可能性があります
どうしてもディーゼルがいい!という方は、ご自分が乗る環境を考えてチョイスしましょう
毎日高速道路を遠距離移動する、という方は大丈夫ですが、近所の買い物や週末だけ運転するといったいわゆる「チョイ乗り」は危険です!
F56 ミニ(3ドアハッチバック)
前モデル更に大きくなり、これまでのミニに慣れている方だと「ミニじゃない・・・」と言われがちですが、ゴーカートフィーリングはそのままに、充実装備で更に走りも普段使いも便利な一台にモデルチェンジしました
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R56と比べると、より速くより普通の車になりました
BMW1シリーズと同じ「UKL1プラットフォーム」を採用して基本的にBMWの車になったこともあり走行安定性が非常に高く安心感のある乗り味です
ただその分ソリッド感は幾分か減りました
カミソリみたいな鋭いコーナリング!といった尖った感じではなく、もっと普通に速くて普通に進む車です
それでも世間の車に比べればはるかに足が硬く独特な乗り味なので、かわいいだけで乗ると痛い目に遭うと思います
中でもJCWは異常に速いです!
グレード
・ワン
・クーパー
・クーパーD
・クーパーS
・クーパーSD
・JCW
F55 ミニ5ドア
これまで5ドア=クロスオーバーしか選択肢がありませんでしたが、待望の「普通のミニで5ドア」が登場!
ミニ元来のデザインを残しつつオールマイティで、日本の車事情にピッタリの1台で非常に人気が高いです
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3ドアより乗り降りしやすく荷物も詰めて、ファミリーで使える!と言われていますが、意外と乗ってみるとF56とさほど変わらないサイズ感です
そのため乗り味もF56に似たような質感です
グレード
・ワン
・クーパー
・クーパーD
・クーパーS
・クーパーSD
(JCWとMT設定がなし)
(クラブマンの様なモデルを指す名前はないので注意)
モデルの見分け
・基本的に前後の印象はF56とほぼ同じ
・F56より若干全長が長い
F57 ミニコンバーチブル
3ドアと基本は共通なので、同じくコンバーチブルも先代より大型化になりました
ただ同様に充実装備が搭載され、オープンドライブをより便利に楽しめる一台です
詳細…
ただF系になるにつれ、ファミリーユース的なよくも悪くも「普通の車」になったので絶対数はRに比べて圧倒的に少ないと思われます
グレード
・コンバーチブル クーパー
・コンバーチブル クーパーS
・コンバーチブル JCW
(ディーゼルなし、MT設定なし)
モデルの見分け
・幌の有無が大きな差で、基本的にはF56と窓より下は同じ
F54 ミニクラブマン
これまでのキャラクターはミニ5ドア(F55)にお株を奪われてしまった為、一つ上のプラットフォーム(骨格)を使用しラグジュアリーな一台に!
ドアもクラブドアが廃止され4ドア+ハッチ観音開きになりました
詳細…
プラットフォームがF56系と別で、2シリーズと共通の「UKL2プラットフォーム」を採用しています
そのため根本から骨格が異なるので、全幅がF56などと違います
乗り味も差別化が図られていて、F54は高級路線、F55はあくまで5ドアになっただけのMINIという棲み分けになっています
内装も豪華で、クラシカルだけれどモダンかっこいい感じにまとまっています
プラットフォームが大型なので、リアシートも余裕があり荷室も広いです
乗り味はF56よりマイルドでより普通な感じで、クーパーSソリッド感がある速さではなく上質な加速感が楽しめます
グレード
・クラブマン ワン
・クラブマン クーパー
・クラブマン クーパーD
・クラブマン クーパーS
・クラブマン クーパーSD
・クラブマン JCW
モデルの見分け
・観音ゲートと独自デザインのテールランプ
・サイドは5ドアのF55と似ているが、クォーターの長さが違う
・全幅が違うのでワイドな印象
F60 ミニクロスオーバー
クラブマン同様BMW2シリーズと同じプラットフォームを使用する事で先代より更に大型化しました
またいい意味でミニっぽくないワイルドなデザインで実車はより大きく見えます
インテリアもよりラグジュアリーになったもののミニらしさも感じられる、納得のラグジュアリーSUVになりました
詳細…
見た目が派手なX2なのでは・・・?というくらい乗り味などはBMWライクな感じです
完成度が非常に高く魅力的なSUVです
グレード
・クロスオーバー ワン
・クロスオーバー クーパー
・クロスオーバー クーパーD
・クロスオーバー クーパーS
・クロスオーバー クーパーSE
・クロスオーバー クーパーSD
・クロスオーバー JCW
モデルの見分け
・F56系では唯一のデカいモデル
・先代に続き台形~丸形のような形のヘッドライト
・内装もF60専用設計
エンジン等
BMWと共通のBMW製の新世代モジュラーエンジンを搭載しています
1気筒あたり50ccのモジュラーエンジンで、気筒数で排気量が変わります
またディーゼル仕様とガソリン仕様でボア、ストローク、ボアピッチが共通で、シリンダーブロックも共用化されています
・クーパー系が1.5L 3気筒ターボ(ワンは1.2L→LCIで1.5へ)、S系が2.0L 4気筒ターボ
・それぞれDはそのままディーゼルになる
・ミッションは8AT、6AT、7DCTがある(グレード、LCIによる)
3気筒ガソリンエンジン B38
(クーパー)
4気筒ガソリンエンジン B48
(クーパーS)
3気筒ディーゼルエンジン B37
(クーパーD)
4気筒ディーゼルエンジン B47
(クーパーSD)
グレードの見分け
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主な違いとしては、
・クーパーSは従来通りフードスクープあり(ただしダミー)
・クーパーSはメッシュグリル、クーパーはメッキルーバータイプ
・フロントグリルにSロゴと下側にブレーキ冷却ダクト追加
・クーパーSはセンターデュアル出しマフラー
・クーパーSはメッキキャップリット、クーパーは普通フラップ
F54
R56と同様、S系はブレーキダクト追加されるなどしていますが比較的マイルドな仕上がりです
またマフラーがクーパーSはセンターでなく左右出し、クーパーは片出しになっています
F60
・クーパーSはR60同様食いしばり顔
・クーパーSは左右出し(別途オプションでフロントバンパーに横一文字の樹脂パネルが入るものがあるなどバリエーションが多い)
前期後期見分け
前期型はR56系がそのまま進化したような顔つき・ボディをしています
LCIでヘッドライト・テールライトが変更され、憧れている方も多い全周が光るリングライトとユニオンジャックテールになりました
またエンジンに変更が加えられより壊れにくくなりました
なので中古で狙うならLCI1以降がおすすめです
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LCI2でルックスが大きな変更されて近未来感を感じるものになりました
また内装もメーターが液晶に、センターパネルがタッチ式になり、シフトも変更になりました
ミッションは前期は6AT、LCI以降は7速DCT、JCWのみ8ATです
注意が必要なのはLCIだけでなく細かく改良が加えられているため、上記が混在したの過渡期的な仕様も存在します
世代の見分け
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キープコンセプトながら一回り大きくむっちりとしたので見分けは付きやすいです
グリルの大型化、バンパー形状などより攻撃的で主張の強いデザインになっています
細かい点では、
・ライトにLEDのリングが付く、正面からはわかりにくいが、サイドからだとかなり寝ている
・サイドはスキットルが形状変更
・サイドビューはボディーサイズの変更に伴い、比べると前が長いように感じる
・リアはテールランプが大型化しハッチゲートにめり込むデザイン
などがあります
クラブマン
・サイドがクラブドアから普通の5ドアに
・リア周りのピラーがR系はわざと存在感がある感じだったが、F54はクォーターに収まっているようなシンプルなものへ変わった
・同様にテール形状も横長の独特なスタイルへ
クロスオーバー
・R60と見た目はキープコンセプトだが、大きくなった
・ライトもR60とアウトラインは似てるがF56同様リングLEDが搭載
・クォーターガラスが断面的に見て丸みを帯びてるのがR60、平べったいのがF60
・サイドスキットルがF60はホームベース型、R60は斜めラインのもの
・全体的にスクエアっぽく各部がフラットに(というかR60が意外と丸っこい)
第3世代ミニを購入する方へ
第3世代ミニは比較的近年に生産されて、それまで以上に高級路線の車に進化したこともあり、現代の新車と比べても見劣りはしません
基本的に便利な装備は一通り揃っているので普段使いの1台としてご検討の方も多いと思います
ですがあくまでもミニですので、注意すべき点もあります!
まずガソリン車とディーゼル車は前述の通りよく考えて選ぶこと
燃費の面でディーゼルは有利ですが、運転する環境によってリスクもあるので要注意です
また前期型は故障が目立ってきています
安いからと言って前期型を選ぶと修理費がかさむ可能性があります
LCI以降はあまり故障の例は見られていないので、選ぶならLCI以降のモデルが無難です
ただ、故障例が少ないのはあくまで「現状は」といった感じなので、今後増える可能性はあります
世代を重ね大きくなったミニですが、想像するより大きくはなく扱いやすいサイズ感なのは変わりません
ただプラットフォームが違うF54とF60はそれなりに大きい車ですので、ミニという名前に惑わされすぎないようにしてください
第3世代の定番トラブル箇所
小林モータース株式会社
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