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整備レポート

2024.07.02

【ミニクーパー】BMW MINI 第2世代 R56系ミニクーパー マフラーからの白煙 オイル消費 バルブステムシール交換

第2世代ミニクーパーで非常に多いトラブルが「白煙」「オイル消費」のトラブルです
この症状は多くの場合バルブステムシールと呼ばれるエンジン内部のパーツが劣化することで起こります
また残念な事に一般的にはかなり高額な修理になるポイントでもあります
当店では長年のミニクーパーの修理経験と多数の専用ツールを使用し「しっかり治すがお金はかかる」パターンと「ポイントで治すから安く上げる」パターンの2つの方法をご案内可能です!
白煙・オイル消費でお悩みのオーナー様は是非最後までご覧ください

※弊社は俗にいう新型ミニ=BMW製ミニ専門の修理工場となっております。ローバーミニ、クラシックミニに関しての修理はお受けできませんのでよろしくお願いします。
また正確には「ミニ」という車の「クーパー」というグレードですので「ミニクーパー」と呼ぶのは車種を指す場合には不適切ですが、文章上小さい・コンパクトを指すミニと車を指すミニの混同を防ぐ為、ここではミニ全般をミニクーパーと呼称します。

症状

主な症状としては「白煙」と「オイル消費」の2つが挙げられます
白煙は文字通りマフラーからモコモコと白煙が立ち登ります
バルブステムシールが原因の白煙の場合は専門的には「オイル下がり」と呼ばれる故障に分類されます
特に白煙が出るのがアイドリングから回転を上げたタイミングです
ですので駐車場から動き出したタイミングや大きな交差点で信号待ちした直後に白煙が酷くなるのが特徴です

オイル消費に関してはこの白煙の正体は全て「エンジンオイルが燃えた煙」ですので、その煙の分オイルを燃やしてしまっている事になります
こちらも酷くなると1~数か月でオイルレベルの警告が出るようになります

マフラーから出る煙は水蒸気の場合もあります
水蒸気が出るのは故障ではありません
水蒸気の煙の場合は上に向けてホワーンと立ち上るイメージです
温泉的な雰囲気で、嫌な感じがありません
一方オイルが燃焼してる煙の場合は、まず嫌な臭いを伴い、風が無い場合にはライブ会場のスモークマシンの様に地面にモクモクと漂うような「質量のある煙」といったイメージです

原因箇所

原因はバルブステムシールと呼ばれるエンジン内部に存在する小さなパッキンです
本当に1つの大きさはペットボトルのキャップより小さい位です
エンジン内部にはバルブと呼ばれるエンジンの爆発に必要な弁となるパーツが存在します
そのバルブがエンジンの回転により高速で上下に動きます
その動きを邪魔せず、燃焼室にエンジンオイルが入らないようにパッキンしているのが今回原因のバルブステムシールになります

そのステムシールが劣化することで燃焼室内にエンジンオイルが流入、ガソリンの爆発と共にオイルも燃えてしまいます
その結果、白煙とオイル消費が発生します

上記の説明の通り「エンジン内部」でオイルが燃えてします
ですので燃えたオイルはマフラーを通り、通常のマフラー出口より排出されます
「エンジンルームから煙が出ている」という場合にはステムシール劣化とは原因が違うと思われます

該当車種

第二世代のガソリンエンジン車

ミニクーパー R56

R56 ハッチバック

ミニクーパー R55 クラブマン

R55 クラブマン

ミニクーパー R57 コンバーチブル

R57 コンバーチブル

ミニクーパー R60 クロスオーバー カントリーマン

R60 クロスオーバー

ミニクーパー R61 ペースマン

R61 ペースマン

ミニクーパー R58 クーペ

R58 クーペ

ミニクーパー R59 スパイダー

R59 ロードスター

※クロスオーバーのディーゼルだけエンジンが違いますので当店ではお受けできません

原因

原因には諸説(エンジン内圧、劣化オイル使用等)言われていますが、実際の真実は私達にはわからないというのが正直な所です
ですから、小まめに「エンジンオイルを交換する」位しかオーナー様が出来る予防策としてはないのが現実です
逆に症状が酷くなってしまうとマフラー内にあるO2センサーに悪影響が出たりと二次故障のリスクが高りますので早めの修理が肝になります

修理方法

先に記載の通り具体的な修理方法は2つになります。

シリンダーヘッドオーバーホール

1つはセオリー通り、シリンダーヘッドと呼ばれる言わば「エンジンの上半分」を車両より取り外し、シリンダーヘッドの全てのパーツを分解し、交換が必要なパーツを交換して組み上げる「オーバーホール」と呼ばれる手法です

仕上がり的には完璧ですが、もちろん相応のお金と時間がかかります。
また特にガソリンターボ、「クーパーS」のエンジンの場合はインテークポート(バルブ)のカーボン堆積、バルブの欠損、ヘッドガスケットからのオイル漏れ等、シリンダーヘッド周りにトラブルを抱える事が多いです
それらも一網打尽にできるという点では永い目で見れば割安な修理方法ではあります
今後も永く永く2世代目ミニに乗り続けたい!という方にはお勧めです

バルブステムシール単体交換

もう一方はステムシール交換専用の特殊工具(スペシャル・サービス・ツール)を使用する方法です
これを使用することで、本来取り外す必要があるシリンダーヘッドを取り外さずステムシールのみを交換することが可能になります
そうすることで工賃や付随パーツ類を大幅に削減でき、コスト面で非常に優れた修理方法になります

但し、オーバーホール修理とは真逆ですが、当然ステムシール以外には手を出しませんので修理後すぐに別のシリンダーヘッド周りのトラブルが発生する事も考えられます
そうなると2度手間になってしまう、なんてケースも考えられます

金額

シリンダーヘッドオーバーホールの場合はタイミングチェーンの同時交換を含めて最低50万円位からのご案内になります
各パーツの摩耗状態などによっては+数十万円の予算感になります

ステムシール単体交換の場合は最低限の部分で15万円位からのご案内になります

特殊工具の性質上、エンジン内部に不具合がある場合には交換が途中で出来なくなってしまう、ということも考えらます
その場合は追加で修理費が発生する場合がございます
ご了承ください

比較

まとめ

何れの治し方であっても、症状が出始めたら早急な修理をおすすめします
燃え残ったオイルが各部に悪さをしたり、オイル不足により焼き付きを起こしたり等、二次故障まで行ってしまうと更に高額な修理金額になります
それで泣く泣くミニを降りたオーナー様を数々見てきました・・・

私自身もミニオーナーですので、ミニがいかに可愛くて楽しい車か知っています
だからこそGoogleのサジェスト(予測検索)に出てくる 「ミニ やめとけ」「ミニ 故障し過ぎ」等とはオーナー様に思ってほしくないと日々思っております
白煙以外でもお困りの際はお気軽にご相談ください!

過去の実績一覧

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小林裕太(こばやし・ゆうた)


国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長

欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。




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