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整備レポート

2024.02.10

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

バルブステムシールが原因と思われる白煙が出る症状のためご入庫いただきました
オーナー様はYouTubeにて公開している当店の代車のバルブステムシール交換の動画をご覧になってご入庫を決めたそうです
一通り診断後お見積りを作成、お客様とお打合せ後、修理作業を進めていきます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

バルブステムシールを交換するためには通常シリンダーヘッドを分解しなくてはなりません
ですが今回はステムシール交換特殊工具を使用して、可能な限りバラさずに作業します!
交換のため、シリンダーヘッドを下ろす必要もないので、MINIでおなじみのフロント部分をバラしての作業は行いません!
インレットマニホールドやタービンもそのままです
余計な作業工程がかからないので工賃もお安く済みます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

この小さなパーツがバルブステムシールです
これが駄目になるとすきまからオイルが入り込みエンジンの爆発に伴ってオイルが気化して白煙が出ます
BMW MINIでは非常に多い症状です

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

古いものと新しいものを比較すると、中央の穴の部分などを見るとだれてきているのがお分かりいただけるかなと思います
そこからオイルが侵入してしまうということです

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

外す工程を見ていきましょう
バルブステムシールはこのバルブスプリングの中にあります
通常だとバルブスプリングは取り外せません
そこで、エアコンプレッサーでエンジン内部の燃焼室に空気を送り込みバルブを張っている状態を作り出します

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

この工具でスプリングを押し縮めます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

すると中から整備士が嫌いなパーツNo.1のコッタという小さな金属のパーツが外れます
コッタが楔の役割をし、スプリングに食い込むことで取り外せないようになっているのです
これでようやくロックが解除された格好になってバルブスプリングが外せます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

バルブステムシールとご対面です

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

ステムシールを握るためだけの専用工具を使って、ようやく古いステムシールが取れました!

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

今度は取付の工程です!
まず新しいステムシールを傷つけないようにガイドチューブをステムに入れます
ステムシールをしっかり打ち込んでいきます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

バルブスプリングつけて工具を用い縮めます
そして嫌われ者のコッタを戻していきます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

よく見るとコッタには細い溝が刻まれています
この溝がステムに切ってある溝に合わせてつけることによってバルブスプリングが正しく固定されます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

私はこの細かい作業に最適な工具や方法を模索しましたが、最終的にピンセットにたどり着きました!
スプリングを戻せばコッタに引っかかって固定されます
これで交換完了です!
残り15個、同様の工程で交換していきます・・・

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

16個のステムシールすべての交換が完了しました!

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

ラッシュアジャスターとカムシャフトを元通り取り付けます
もちろん締め付けのトルクも適正値で取り付けます

BMW MINI R55 クラブマンクーパーS エンジンから白煙修理 バルブステムシール交換

作業中に細部をよくみてみるとオイル管理が徹底されていなかったのか、金属の焼付きが出ているのがわかります
現オーナー様は2500~3000km程度で交換・補充されているとのことなので、おそらくその前に乗られていたオーナー様の管理不足でしょうか・・・
特別ひどい状態というわけではありませんが、オイル管理の不徹底が積み重なるとこのように少しずつエンジンの劣化につながるわけです

バルブタイミングの調整をしタイミングチェーンを取り付けて、ヘッドカバーを戻せば作業完了です!
その他も異常がないことを確認しご返車させていただきました

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