
「エンジンの後ろ側あたりからクーラントのにおいがする」 「水が減るけど、ラジエーターやホースからは漏れていない」 「インマニ下がいつの間にか冷却水で湿っている…」 そんな症状、EJ20系エンジンなどに多い“エンジンブロックに直接取り付けられたヒーターパイプからの冷却水漏れ”が原因のことがあります
この部分は車体前方からは目視しづらく、見落とされがちな冷却水トラブルの盲点です


見落とされがちな冷却水漏れのポイント!
インマニを取り外すため、まとめて整備を!
エンジン直付けヒーターパイプとは?
EJ20水平対向エンジンでは暖房用にヒーターコアと呼ばれるパーツへ冷却水を送る配管のうち、金属製のヒーターパイプが直接エンジンブロックにボルト留めされている部分があります
問題はこのエンジンでは、インマニの下にあるためアクセスしづらく、長年の熱と振動でパイプ根元のOリングやフランジから冷却水が滲み始めるケースが多いことです

劣化するとどうなる?

• Oリングの劣化 → パイプ根元からにじみ・漏れ
• 走行後にクーラント臭が漂う(室内外問わず)
• リザーバータンクの冷却水が少しずつ減る
• エアが混入しやすくなり、ヒーターが効きにくい / 水温が不安定になる
・排気系に冷却水がかかり白煙が発生する
進行するとオーバーヒートや暖房不良に直結します
また、漏れた冷却水が周辺のセンサーやワイヤーハーネス、クラッチレリーズに付着し、二次トラブルを誘発することもあるので注意が必要です
点検 & 部品交換
【点検】
• リフトアップ+ミラー等を使い、パイプ根元のクーラントにじみを確認
• 圧力テスターで冷却系の加圧チェック → 滲み箇所を特定
• 周囲のホース接続部・ウォーターバイパスパイプ・ブロック接合部も併せて確認
【交換対象部品】
• 金属製ヒーターパイプ(車種により形状・長さが異なる)
• パイプ取付部Oリング(必ず新品へ)
• 接続先ホース類(硬化・膨張している場合)
• クーラント(作業時抜けてしまう為必須)
• 必要に応じて:サージタンクガスケット、ホースバンド類
• ブローバイホース・フューエルホースも

作業手順
・バッテリー・インテークパイプ等の補機類を取り外し
・インマニ脱着(※アクセス確保のため必須)
・パイプ固定ボルトを外して本体取り外し
・接触面の洗浄 → Oリング交換 → パイプ新品に交換
・組み付け → ホース再接続 → クーラント補充
・エア抜き&冷却水漏れチェック
・試運転 → ヒーター動作 / 水温安定性を確認
修理費用の目安
• ヒーターパイプ+Oリング部品代:約20,000〜30,000円前後
• インマニ脱着+冷却水交換含む工賃:約20,000〜30,000円前後
• 総額の目安(車種・内容により変動):約50,000〜80,000円前後
※年式や仕様によりパイプ形状・Oリング径が異なるため、車台番号での適合確認が必要です
放置すると…
• 水漏れ悪化 → 冷却水が一気に減りオーバーヒート
• 周辺部品の腐食→2次トラブルへ発展
• フロントヒーターが効かなくなる → 冬場の安全性低下
• 冷却系へのエア混入 → サーモスタットやラジエータにも悪影響
症状が軽度のうちに修理することで費用も抑えられ、安心して乗り続けられます◎
その他コラム
小林モータース流ポイント!
• インマニ脱着を伴うため、同時にサージタンクガスケット / PCVホース類の点検・交換も実施!
• ホース・パイプ・Oリングの劣化をセットで対処し、再発を予防
• 「他の整備と一緒にまとめてやっておきたい」というご相談にも対応可能です!






















