
「駐車後にクーラントが漏れている」「水温計が高めに振れてしまった」「走行中に焦げたような甘い臭いがする」 このようなご相談、EJ20搭載スバル車では定番のトラブルです
特に純正ラジエーターのプラスチック製アッパータンク・ロアタンクは10〜15年経過すると経年劣化によりクラック(ひび割れ)が発生しやすくなります


ラジエーターのプラスチック部分が劣化しやすい
冷却水漏れは最悪の場合エンジンブローにつながる!
ラジエーターとは?
エンジンを冷却するための冷却水(LLC)を循環させる熱交換器です
エンジン前方に配置され、走行風と電動ファンで冷却しています
EJ20系の純正ラジエーターは「アルミコア+プラスチックタンク構造」が主流
このプラスチック部分が熱と振動で徐々に劣化 → クラック発生 → 冷却水漏れにつながります

劣化するとどうなる?
ラジエーターが劣化すると、樹脂製タンクの接合部やホースの差し込み口などにクラック(ヒビ)が入ったり、樹脂部分が折れてしまうことがあります
冷却系統は常に加圧されているため、ほんのわずかなヒビでも冷却水が漏れ出してしまいます

漏れが発生すると、冷却水特有の甘い匂いが漂うほか、停車後に地面へシミができることで気づくケースも多いです
いずれにしても、そのまま放置すると水温計の急上昇や暖房の効き不良を経て、最終的にはエンジンのオーバーヒートにつながり、大きな損傷を招く恐れがあります
点検 & 部品交換
【点検】
• 圧力テスターで冷却系統の加圧テスト → 滲み・漏れ箇所確認
• ラジエーター上部・コア周辺の汚れ / ヒビ割れの目視確認
• ホース類・キャップの状態も併せて確認
【交換部品】
• ラジエーターAssy(純正or社外アルミ製ラジエーターも選択可)
• ラジエーターキャップ
• ラジエーターホース上下セット
• サーモスタット・パッキン
• 新品LLC(冷却水)
•電動ファンモーター(不良の場合)
作業手順
・冷却水抜き取り → 廃LLC適切に処理
・ラジエーターAssy取り外し → 最終的な破損状況確認
・新品ラジエーター・ホース・サーモ組付け
・LLC充填 → エア抜き作業(エア残りは水温異常の元になるため入念に)
・試運転 → 水温確認 → 最終漏れチェック
スバル車はエア抜きが難しい構造(ヒーターコア高位置)なので、
時間をかけた丁寧なエア抜き作業が重要です
簡易エア抜きだとエア噛み→再オーバーヒートになることがあります
修理費用の目安
• 部品代(社外ラジエーター):約3〜4万円程度
• 社外オールアルミ製:約5〜6万円程度(樹脂部分がなくなるので耐久性◎)
• 工賃込みで:約7〜8万円程度
ついでにラジエーターホース・サーモスタット交換もまとめて行えば、後々の冷却系トラブル防止に非常に有効です!
放置すると…
• 冷却水全量漏れ → 突然オーバーヒート → エンジン破損のリスク大
• 水温異常 → 燃費悪化 / エンジン出力低下
• 修理費用が跳ね上がる(ヘッドガスケット抜けなど)
軽度な滲みのうちに早期交換がベストです
「次は車検まで持たせよう」はNG!
万が一のエンジン故障よりラジエーター交換の方が圧倒的に安価で安心です

その他コラム
小林モータース流ポイント!
• 車両用途に応じて社外オールアルミ製ラジエーターもご提案可(サーキット走行や高負荷走行車両向き)
• ラジエーターキャップ/ホース類も同時交換推奨 → 将来的なトラブル予防に!
• エア抜きはテストドライブ+冷却系統再チェック付き → エア残りゼロで納車を徹底!























