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BMW M6E63 SMG警告灯点灯症状にてご入庫頂きました
走行中突然ドン!っとショックがあってギヤマークのエラーが表示されるとの事
早速ピットにてテスター診断を行うとクラッチ摩耗の可能性が高いことが判明しました
お客様にお見積りをご確認頂き修理を進めていきます
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クラッチ交換ですので兎にも角にもミッションを丸ごと降ろしていきます
E60世代のSMGミッションは過去何十台と降ろしてきましたのであっという間に降ろせます笑
SMGは基本的にはセミオートマに分類されるミッションでベースはこれまでのマニュアルミッションと同じですが、各部SMG特有の癖や仕組みがありますので修理するのは「言うほど難しくないですが、言うほど簡単でもない」そんな感じです・・・!
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ミッションを降ろすと同時にまっくろくろすけが出てきました
これが出ているという事はもう十中八九クラッチが終了している合図・・・!
クラッチ不良がほぼ確定ですね
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ミッションを降ろせば肝心のクラッチが見えていきます
500PSを受け止めるツインプレートクラッチです
たまに勘違いされるのがSMGをDCT=デュアルクラッチトランスミッション(偶数ギア用、奇数ギヤ用の2組のクラッチを交互に使用して超高速シフトチェンジが可能なミッション)と思っている方がいらっしゃいますがそれは間違いです
SMGは確かに2枚クラッチがありますがそれは、ツインプレートクラッチ(摩擦表面積を増やしてより大きなパワーを伝達できるクラッチ)の為です
BMWの場合はSMG3の次からDKGとしてデュアルクラッチシステムのミッションに切り替わりました
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クラッチを取り外して交換します
見慣れていますので何も思いませんが・・・冷静に考えればチューニングカー・レーシングカーばりのクラッチです
見栄えではない、性能としてのBMWの本気が伺えますね!!
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不良の方のクラッチを分解すると完全に剥離してしまったクラッチディスクが見えてきます
先ほどのまっくろくろすけの正体はこのバラバラに砕けたクラッチ板の残骸です
通常クラッチがこうなってしまえば全く走行できないのが普通ですが、先ほどの説明通りツインプレートクラッチですので、どちらか1枚が残っていれば普通に走る分には意外と走れてしまうケースがあります
今回のお客様のケースもそれですね
M5、M6オーナー様は「たまにミッション警告灯でるんだよな~・・・」なんて感じているぐらいでも意外と中身はこんなに酷い・・・なんてケースはあるあるです
くれぐれもご注意くださいね!
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フライホイルは再利用でいきます!
ディーラー様だと結構同時交換させられるフライホイルですが、パーツ単体で30~40万円します
これを再利用するだけでクラッチ交換の金額は大きく下げられます
過去の実績でも数台は本当にダメで交換しましたが、それ以外は再利用でも問題なく走行しております!
この辺りは予算と仕上がりでプランさせて頂きますのでご相談ください!
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ここからはクラッチ交換と同時の付属交換品です
基本的にどれもミッションを降ろしたタイミングでしか作業できないので、先を見るならどれもやっておいて損はないところです
まずはリアクランクシールです
エンジンの後端のオイルをせき止めるパッキンのようなパーツです
現状は漏れていませんが、先を見越して交換です
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こちらはミッションスリーブとレリーズベアリング
こちらも付属品ですので同時交換が必須です
意外と細かくパーツ設定があるので逆に知らないと、一発で正確に部品出しが難しくもあります
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ミッション側も綺麗に洗浄し、各部グリスアップをしながらレリーズベアリングなどを組み込んでいきます
それぞれのパーツを交換すればミッションを戻せば作業完了!
SMG等は交換後にテスターにてクラッチの初期設定をする必要があります
これをしないとまともに走りません・・・!!
勿論当社できっちり調整可能です!
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仕上げにミッションオイルを交換していきます
ご覧の通り真っ黒!
全ての作業終了後、確認のテストドライブを行います
警告灯も出ませんし、スムーズな変速でバッチリです!!
無事オーナー様の元へご返車させて頂きました