
「今さら聞けないシリーズ」として、車に関する基本的な疑問に一級整備士がわかりやすくお答えしていきます。 お客様からも「こんなこと、今さら聞けないけど…」といったご質問をいただくことがあるため、そうした疑問を取り上げて解説していく企画です 今回のテーマはマフラーからの「白煙」です

※本記事の内容は、投稿日時点の整備業界情報および当社の現場実績に基づいています。

マフラーからの白煙はエンジン内部のトラブルの可能性!
ステムシールが原因の「オイル下がり」とピストンリングが原因の「オイル上がり」がある
白煙ってなに?危険なの?
マフラーから煙が出ていても、すべてが故障とは限りません
「白煙(はくえん)」には大きく分けて2つの種類があります
【正常な白煙(=水蒸気)】
冬の朝など、エンジン始動時にマフラーからもくもくと出る白煙です
温度差によって発生する水蒸気で、時間が経つと上にふわっと消えていきます
※例:やかんの蒸気のようなイメージです
匂いもなく、心配のいらない現象です
【異常な白煙(=オイルが燃えて出る煙)】
エンジンが温まった後でも白煙が出続ける
スモークマシンのように“もわっ”とした煙が下に溜まり、なかなか消えません
焼けた油のような独特の臭いが充満し、ルームミラー越しにも確認できます
【補足:間違えやすい「白煙」】
エンジンルームから出る煙は、エンジン内で漏れた液体が高温で蒸発したもの
こちらも危険な症状ではありますが、「白煙」とは区別されます
白煙とは基本的に「マフラーから出る煙」を指します
白煙の原因:3つの代表的なパターン

① オイル上がり
原因:ピストンリングやシリンダーの摩耗
エンジンのピストンとシリンダーの隙間からオイルが燃焼室に上がり込み、燃えて白煙が発生
修理:エンジン交換レベルの大掛かりな修理が必要なケースが多い
② オイル下がり
原因:バルブのステムシール(ゴム製パーツ)の劣化
上部からオイルが垂れて燃焼室に落ち、燃えて白煙に
特徴:2世代目MINIやBMW車に特に多い
修理:ステムシール交換(比較的現実的な修理だが工賃は高め)

※上2つは「ガソリンが爆発する部屋(燃焼室)でオイルが燃えている」ことが共通です
③ ターボの故障
ターボ内部に循環しているオイルが漏れ、排気管内に流入して白煙の原因に
ターボ車では比較的多く見られる不具合

+α:オイルの入れすぎ
DIYでのオイル補充時、「満タンまで入れればいい」と思いがちですがNG!
オイルの入れすぎでも白煙の原因になります
見分け方(少しマニアックですが参考に!)
パターン
出方の特徴
オイル下がり
アイドリングでしばらく停止 → アクセルを踏んだ瞬間に「ボフッ」と白煙が出る
オイル上がり
エンジン回転数に比例して白煙が出る(アクセルを踏むと「ブワーッ」と煙が増える)
まとめ
・正常な白煙(水蒸気)との違いは、「消え方・臭い・出るタイミング」で判断
・修理によって直せる可能性としては「オイル下がり」>「オイル上がり」
※オイル上がりはエンジン交換が必要なこともあり、修理費は高額になります
どちらの場合も、まずは落ち着いて「煙の出方・臭い・タイミング」をよく観察することが大切です!
「白煙って気になるけど、よく分からない…」という方の参考になれば幸いです
YouTubeのコメントやDMで「今さら聞けない質問」もお気軽にお寄せください!
皆さんのお悩みにお応えするシリーズとして、今後も続けていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします!
小林モータースの在庫車両

小林裕太(こばやし・ゆうた)
国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長
欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。
【店舗情報】
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