ブレーキパッドは、ブレーキの制動を行う重要な部品です
タイヤの内側に位置する、ブレーキローターとセットで自動車のブレーキを構成しています
ブレーキパッドは二枚一組でブレーキローターの両側に設置されていて、ブレーキをかけるとブレーキパッドがこのブレーキローターを両側から強く挟み、パッドの摩擦によりタイヤの回転を停止させ車を安全に減速・停止させます
言い換えれば、ブレーキパッドがなければ車を止めることができないため、ドライバーや同乗者の安全に直結する部品です
ブレーキの仕組み
1:ドライバーがペダルを踏むと、ブレーキマスターシリンダーに圧力が加わり、ブレーキ液(油圧)がシステム全体に伝わります
2:油圧を受けたキャリパー(ブレーキパッドを挟む部品)が作動し、ブレーキパッドをディスクローターに押し付けます
3:ブレーキパッドとディスクローターの間に摩擦が生じ、車の運動エネルギーが熱エネルギーに変換されます
この摩擦力が車を減速させます
4:摩擦によるエネルギー変換が進むことで、最終的に車が安全に停止します
ブレーキパッドが摩耗する理由
ブレーキパッドは摩擦によって徐々に削れていきます
その理由はブレーキシステムの構造にあります
摩擦材の削れ
ブレーキパッドの表面は「摩擦材」という特殊な素材でできており、この部分がディスクローターと接触して摩耗します
繰り返し使用による摩耗
毎回のブレーキ操作でわずかに削れていき、最終的には交換が必要なレベルまで減少します
使用環境や運転スタイルの影響
都市部の頻繁なストップ&ゴーでは摩耗が早く進む一方、高速道路中心の走行では摩耗が比較的少ない傾向があります
ブレーキパッドの交換タイミング
交換時期を見極めるのは非常に重要です。以下のポイントを参考にしましょう
走行距離の目安
一般的に30,000km~50,000kmが交換時期の目安
ただし、以下の条件により前後します
短いサイクル:
都市部で頻繁にブレーキを使う場合
長いサイクル:
高速道路中心でブレーキの使用が少ない場合
厚さの目安
ブレーキパッドの残量が3mm以下になると要交換
通常、新品のブレーキパッドは10~12mm程度の厚さがあります
お知らせ方法は主に2通り
異音が発生
主に国産車
「キーキー」といった金属音が聞こえる場合、摩擦材が少なくなっている場合が多いです
運転者にブレーキパッド残量が少なくなっているのをお知らせするために音が出るように作られています
警告灯が点灯
主に輸入車・一部国産高級車
ブレーキパッドが規定された残量より減ると、警告灯がメーターやナビ画面に表示されます
この表示が出たら、交換すると覚えておきましょう!
ブレーキパッドを交換しないリスク
ブレーキパッドが摩耗したまま放置すると、以下のようなリスクが発生します
ディスクローターへの損傷
摩擦材がなくなり、金属部分がむき出しになると、ディスクローターを削ってしまいます
ローター交換が必要になる場合があり、修理費用が高額になります(輸入車は摩耗具合によって交換が必要になります)
制動力の低下
ブレーキの効きが悪くなり、停止距離が長くなります
特に緊急時には重大な事故につながる可能性があります
異常な音や振動
摩耗した状態で使い続けると、不快な異音やブレーキ時の振動が発生します
安全性の低下
車が正常に停止できないと、乗員や他の道路利用者の安全を脅かします
パッドの台座の金属部分が接触して、 線上の傷が付いたディスクローター
摩擦材が完全に摩耗し、台座の金属部分が見えている状態の パッド(右・上)と新品(左・下)との比較
ブレーキパッドとセットで交換したいパーツ
ディスクローター
ブレーキパッドとともに摩耗する部品
深い傷や薄くなっている場合は同時交換が必要です
ブレーキフルード(ブレーキ液)
ブレーキシステムの油圧を伝える重要な液体
定期的な交換で制動力を維持します(本来は車検毎の交換がメジャーです)
ブレーキセンサー
パッドの残量を監視するセンサー
搭載車は基本的に交換時に同時に交換になります
豆知識:ブレーキパッドの摩擦材の素材
摩擦材は車の使い方や目的に応じて異なる素材が使用されています
有機材(ノンアスベスト)
環境に優しい素材
街乗りや低速走行向け
セミメタル材
耐熱性が高く、高速走行やスポーツ走行に適している
カーボンメタル材
レーシングカーなどに使用される高性能素材
耐久性と耐熱性が非常に高い
まとめ
ブレーキパッドは車の安全性に直結する重要な部品です
仕組みや交換タイミングを正しく理解し、定期的な点検とメンテナンスを行うことで、快適で安全なカーライフを送ることができます
当社では、車種や運転スタイルに合わせた最適なブレーキパッドの選択と交換をサポートしております
「低ダストパッド」や「スポーツパッド」など、さまざまなニーズに対応可能です
お気軽にご相談ください!
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小林裕太(こばやし・ゆうた)
国家一級自動車整備士
小林モータース株式会社 工場長
欧州車を中心に扱う某輸入車専門店で工場長等を計8年半務める。
豊富な輸入車整備経験によりBenz、BMW、Audiからポルシェ、ベントレー、フェラーリまでヨーロッパ車全般を得意とする。
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