ここでは第3世代の定番のトラブルポイントをまとめます 挙げたものはほんの一例です 何れにしろ乗り方や使い方で予防できるものは少ない上に漏れ症状などは気づける症状が出る頃にはかなり酷い状況ということも少なくありません 定期的な点検と早期修理がミニクーパーを長持ちさせるコツです!
※必ずしも症状と原因が一致している訳ではありません。あくまでトラブルの参考程度にお考え下さい ※金額はパーツ代、工賃を含んだトータルの概算金額です。診断の結果やその時のパーツ定価、グレード等によっても金額は大きく変わります。正確なお見積りはお預かり後、お車を診断してからになります
2014年にフルモデルチェンジし、BMW製ミニクーパーも3代目になりました
更にボディーは大型化し、今までなかった「普通の5ドアハッチバック」が登場した事でより普段使いに便利なミニクーパーになりました!
エンジンはB型モジュラーエンジンというもので、クーパーは1.5L、クーパーS系は2.0Lに排気量変更になり、それぞれ3気筒、4気筒、ガソリン、ディーゼルの組み合わせで選べるようになりました
またボディーもUKL1、UKL2プラットフォームと呼ばれるBMWの1シリーズやX2等に使われているプラットフォームを使用しています
結果的にはエンジンもBMW1シリーズ等と共通、プラットフォームも1シリーズ等と共通
それに伴い制御システムや電装品も1シリーズと共通と「実質POPな1シリーズ」と言っていいほどBMWの車です
なので基本的なトラブルや故障はBMWをそっくり引き継いでおり、修理金額もBMWと同じと言っていいです
各部の信頼性や耐久性は上がっているものの、壊れる箇所がモジュール化、ユニット化されていることが多く、一回の金額が高くなってしまったデメリットもあります
エンジン・トランスミッション系
まずは自動車の心臓部分、エンジン周辺のトラブルから解説していきます
1か所でオイル漏れや冷却水漏れが発生するだけでも先述の通り、モジュール化の弊害で周辺パーツごと交換となってしまう箇所が多いです
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オイルフィルターハウジングオイル漏れ
3世代目になりオイル漏れリスクはかなり少なくなった印象です
但し、少なくなったとは言えゼロでは決してないのがミニクーパーです
漏れ箇所は1世代目から定番のオイルフィルターハウジング。オイルフィルターを入れるケースに当たる部分です
もちろん1世代目からエンジンも変わっていますので形や大きさは全く違いますがなぜか全世代漏れてきます
また3世代目の悪い特徴としては樹脂製のフィルターハウジングが劣化してパッキンの取付部が欠損してしまう症状です
その為、パッキンの単体供給はあるものの、結果的にはハウジング丸ごとの交換が必要になり修理費用もかさんでしまいます
金額は10~15万円位の修理費用になります
サーモスタットの冷却水漏れ
サーモスタットからの冷却水漏れも3世代目では定番のトラブルポイントです
冷却水漏れトラブル自体は全世代でお馴染みの症状ですがこちらも新しいが故のデメリットがあります
というのもサーモスタットが単品で供給されず、その土台となるウォーターポンプキャリアと呼ばれるパーツのみでの供給になってしまいます
その為単体で交換できれば恐らくさほど金額もしないパーツですが、土台丸ごとですから単純に高額になってしまいます・・・
金額は15万円強ぐらいが予算感になります
エンジンマウント
エンジンマウント劣化もF型の定番トラブルポイントです
高級車路線を打ち出した結果、2世代目までのR型より高性能なエンジンマウントを採用しています
その結果、劣化してきた時の症状もかえって著しく振動感やガタガタ異音が顕著に表れます
また耐久性も低く、数万kmの走行距離でもかなり劣化しているケースも多いです
金額は5万円~10万円ぐらいになります
TEバルブ(タンクベントバルブ)
ガソリンタンク内のガソリンが蒸発した場合にタンク内に気化したガソリンが溜まります
それをそのまま外に放出しては環境に悪いのでエンジンに一緒に吸わせてしまおう!という仕組みが付いており、その流量を制御しているのがTEバルブ(タンクベントバルブ)になります
不良になるとチェックランプ点灯、エンスト症状、アイドリングが落ちない、ハンチング(アイドリング時にウォーンウォーンと1000rpm位行ったり来たりを繰り返す症状)などが発生します
修理の金額は、パーツ代がお安いのが救いで数万円で修理可能です
ボディー・足回り他
ボディや足回り、電装部品のトラブルについてです
年式がまだ比較的浅いため足回りなどに経年劣化が見られることは少ないですが、高度化されたコンピューターに関連する不具合など第3世代特有のトラブルも多いです
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ドライブシャフトブーツ
ドライブシャフトブーツからのグリス漏れも比較的多い症状です
ミッションからタイヤへ動力を伝達する為の「棒」になるのですが、サスペンションの動きやハンドルを切る動きに対応する為に棒の両端に関節が設けられています
その関節を保護するゴムのカバーがドライブシャフトブーツになります
基本的にミニクーパーに限らずどのお車にもあるものです
三世代目のミニクーパーは比較的新しいお車なのになぜかそこからグリス漏れを起こす個体が多く漏れている場合にはブーツ交換が望ましいです
金額は数万円で修理可能ですが、取り付け方にちょっと癖があり、「他店で作業したら異音がする」と分解してみるとちゃんと組付けられていなかった・・・というお車に過去数台当たった事があります
ブレーキパッド
ブレーキパッドは基本的には消耗品ですので故障というよりメンテナンスの範囲ですが、かなりの台数をお預かりしているなかで思うのは電動パーキングプレーキ(EPB)搭載のF54、F60のリアブレーキパッドの減りが非常に早い気がします
確実なデータがある訳ではないのであくまで肌感ですが、おそらくEPBキャリパーは通常キャリパーに比べてクリアランスが少ないなどの理由があるのだと思います
特に新車からですと2万km台でブレーキ残量警告灯が点灯するお車が多い印象です
いずれにしろ交換するしかないものですので表示が出た場合はお早めの交換をおすすめします
エアコン配管
凄く細かいトラブルですが、エアコンは内部にガスを使っている関係でエンジンルームやダッシュボード内をガスが通る配管が走っています
それをボディーやエンジンに接触させない為にちょっとしたプラスチックのパーツを使ってボディーやエンジンに固定してあります
このトラブルは特定の箇所の配管を留めてあるプラスチックのパーツが経年劣化で割れる事で配管がエンジン振動でブルブル揺らされ、それがボディーに接触することで「ガタガタ」「ドドドド」とあれ?凄いエンジンが壊れている?というような異音と振動がでます
意外と初見で見ると原因がわからないトラブルだったりします!笑
修理はプラスチックのパーツを交換するだけですので診断料と合わせても1万円もかからず修理可能です
シフトユニット
オーナー様が触るのはシフトノブだけですが、その根元にはシフトモジュールと呼ばれるシフトの動きを作りだすパーツがいます
そのシフトモジュールも定番のトラブルポイントです
症状としてはPに入れて通常通り、エンジンを切ると「車両動き出し注意」「トランスミッション異常」のようなエラーが表示されるトラブルです
原因はシフトモジュール内部の小さなスプリングが破損することで実際にはP位置にあるにも関わらず、コンピューターがPを認識できない事で起こります
修理は正攻法でいってしまうと部品の供給はシフトモジュール丸ごと、交換も大変で金額的には10~15万円程かかります
当店では内部のスプリングを単体交換可能で、そんな裏技を使えば半分位ですみます!
またLCI(後期)以降は電子制御ノブになったので同様のトラブルは起こりません
シフトをDにするのに「カチッ」と動かすオーナー様はLCI以降です!ご安心を、「ガチャガチャ」とDまで動かすミニクーパーにお乗りのオーナー様は要注意です!
バッテリー
バッテリーは故障というよりメンテナンスの領域になりますが、1、2世代目との違いは車両の高度な制御システムにあります
依然と違いかなり高度なコンピューター制御をしているのでバッテリーに対しての車側のキャパシティが狭くなっています
その為、整備工場等にあるバッテリーテスター等で測定しても「正常」の測定結果がでるうちからメーターやナビ画面に「バッテリー摩耗」のメッセージがでる事があります
充電を掛けてもその内またすぐに警告画面が出てしまうので抜本的にはバッテリー交換をするしかありません。
またBMWではお馴染みですがバッテリー交換後はテスター診断機にて「交換したよ」と車側に記憶してあげる必要があり、これを怠ると早期劣化などのトラブルが出ることがあります
金額はAGMと呼ばれる高性能バッテリーを使用していますので5~6万円程度かかります
まとめ
3世代目のミニクーパーは年式もまだ浅いこともありますが、かなり信頼性、耐久性は上がっている印象です。前世代まであった細かい電装不具合などは今の所身を潜めています
またエンジンもディーゼルが日本の環境風土に合わずトラブルを起こすなど根本的な不具合はしかたありませんが、それ以外の「漏れ」などのトラブルは少ないです
基本的には定期的な点検を行い、不良箇所を潰していけばまだまだ安心してお乗りいただけます
ですが、何か本格的な故障をした場合はコンピューターだったり、モジュール化されたパーツなど一つ一つのパーツ代で修理金額が嵩みがちではあります
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