レリーズベアリングの故障で異音がするとのことでご入庫です
症状としてはクラッチペダルを踏み込んでいくと、半クラのあたりからキィーという異音がします
クラッチペダルの操作に絡んで異音がするのは9割方レリーズベアリングの不良です
車を持ち上げて下から見てみましょう
クラッチはエンジンとミッションの間にあります
そのクラッチの内部にあるのがレリーズベアリングです
作業をするにはミッションを降ろさなければなりません
クラッチとセットで一式の交換作業になります
本来であれば診断と修理は別に行うのですが、点検を行うにしてもミッションを降ろす必要がありますので、この手の作業の場合には暫定的なお見積りでご了解を頂き実際にの診断と修理が同時というのが基本になります
こちらは新品のクラッチディスクとクラッチカバーです
クラッチペダルを踏みクラッチを切ると、このクラッチカバーの中心部分を押し込みクラッチディスクと切り離され動力が切断されます
クラッチペダルを離すとカバーとディスクが繋がり動力が繋がります
このときクラッチカバーはエンジンと一緒に回転しています
回転している中心部分を押し込むための部品がレリーズベアリングです
ベアリングが入っているので回転しているものを押し付けることができわけですね
ここに不良が出ると異音が発生します
大体5~10万kmで故障することが多いそうです
ミッションを下ろしました
御覧のようにレリーズベアリングは完全に故障しています
新品と比較すると一目瞭然ですね
一切回転しないほど劣化しており、取り外すときに壊れてバラバラになってしまいまいた
ちなみにレリーズベアリングがついている筒の部分、ガイドスリープなどとも呼ばれるのですが、輸入車の場合は大概簡単に外せる構造になっています
国産車の場合だとハウジングと一体化している場合があり、もし症状が悪化しガイドスリープに問題が出るとミッションケース交換になってしまうこともあります
なのでレリーズベアリングの不良には注意して下さい・・・!!
クラッチカバーです
あの状態のレリーズベアリングが触れていたというのによく形を保っているなぁと感心します
クラッチディスクも完全に終わっています
ディスクがダメでレリーズベアリングに影響が出たのか、その逆なのか、今となっては判断できませんが・・・
左の新品と比較すると溝の深さが全然違います
リベットの穴の深さも有りません
こうなるとリベットが接触してしまいます
エンジン側のフライホイルです
リベットが接触して焼きあとが付き始めていました
できればフライホイルは再利用したいのでクラックディスクの影響でダメージが出る前にクラッチの交換はしたほうがよりベストです
この程度ならばまだ磨いて再利用できます
リアクランクシールなどもミッションを下ろしたこのタイミングで一緒に交換します
すり減ったクラッチディスクのカスが溜まったりしていますので綺麗にして組んでいき、作業完了です
クラッチペダルの操作をしても異音はなくなり、そのほかの異常も無いことを確認してからオーナー様にご返車させて頂きました
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